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2014年9月22日 (月)

三谷幸喜 作「其礼成心中」「君となら」

8月7日(木)に京都劇場で三谷文楽「其礼成心中」を鑑賞。

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近松門左衛門の「曽根崎心中」が大評判をとった後日談という設定。秀逸なパロディである。正直、文楽でこれほど笑えると想っていなかった。冒頭で三谷幸喜人形が前説を述べるという趣向も面白かった。立川談志の「伝統を現代に!」という言葉を想い出した。ちなみに英語タイトルMuch Ado about Love Suicidesはシェイクスピア作「空騒ぎ(Much Ado About Nothing)」のパロディになっている。

9月17日(水)シアタードラマシティで「君となら」。

Kimitonara

1995年初演のお茶の間コメディ。僕は97年の再演を観ている。その時のキャストは、

斉藤由貴/佐藤慶/角野卓造/宮地雅子/高林由紀子/小倉久寛/伊藤俊人

今回は

竹内結子/小林勝也/草刈正雄/イモトアヤコ/長野里美/長谷川朝晴/木津誠之

これが初舞台となる竹内結子がコメディエンヌとしての魅力を発散していた。ヒロインの恋人役は初演の佐藤慶(故人)の方が味があった。床屋を営む父親役の草刈正雄は◯。その弟子は伊藤俊人(故人)の方が好きだった。ま、あて書きだから仕方ないよね。

初演/再演は山田和也が演出を務めたが、今回の演出は三谷幸喜自身が担当。だから舞台となる家の間取りが随分変わった。有名な「そうめん流し」の場面も前回と比べ急流(急傾斜)に。極端な方が面白さを増す。

小磯家で巻き起こる一代騒動を描くのだが、これは「サザエさん」の磯野家を明らかに意識した命名である。竹内結子の髪型や雰囲気もサザエさん風。昭和の空気が濃厚だった。ポケベルを使ったギャグも変更がなく、時代設定は(携帯電話が普及していない)初演当時のままなのだろう。「ダイ・ハード2」(1990)を観たとかどうとかいう会話もあるので。

ちなみに三谷幸喜はTVアニメ「サザエさん」の脚本を4本執筆している。その中に「タラちゃん成長期」という作品があり、タラちゃんが筋肉増強剤を打ってオリンピックに出場する夢を見るという内容で、それに激怒したプロデューサーが三谷を解雇したという逸話が残っている。

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