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2014年9月23日 (火)

世界よ、これがジャパニメーションだ。〜「進撃の巨人」論

アニメーション「進撃の巨人」が話題になっているのは放送中から知っていたが、観逃していた。そこでTSUTAYAでDVDをレンタルし全話視聴。その面白さにびっくりした。

2014年10月から地上波やBSで一斉に再放送が始まり(放送予定はこちらをご覧あれ。ちなみにBSのD-lifeは無料放送)、総集編の劇場公開や来年には実写版の公開(樋口真嗣 監督、脚本は映画評論家の町山智浩ほか)も決まっているので、ここで本作の魅力を大いに語っておきたい。

「進撃の巨人」が描く世界は極めてハードである。登場人物はバタバタと死んでゆくし、容赦ない。ちょっと中学生以下には見せられない。欧米での地上波放送も難しいのではないかと思われる。実際アメリカでの放送は大人向けに番組を編成するCS放送アダルト・スウィム(Adult Swim)が土曜 23:30 - 24:00 という深夜枠で放送している。

第8話までは正直観続けるのがキツかった。内容が陰惨だし、ユーモアはないし、登場人物が常に躁状態で、眼球が飛びださんばかりに目をひん剥いて怒号を飛ばしている。「君たち全員甲状腺機能亢進症か!それとも一日中アドレナリンが分泌しまくっているのか!?」と問いたくなる感じ。本作に「緩急」のメリハリとか「緊張の緩和」「戦士の休息」という言葉は無縁で、張り詰めた空気が途切れることなく延々と続くので疲れる。何度か挫折しかけた。

しかし第9話からリヴァイ兵長が本格的に登場すると、俄然話が盛り上がってきた。ニヒル(虚無的)な表情で、全身から諦念を漂わせる彼の吸引力は凄い。しかしやるときはしっかり決める男で、ボソッと吐く台詞も熱い。世界的に熱狂的女子人気を誇るのも理解出来る。そのギャップに萌えるんだろうね。

Frau

Ivivi_2

アニメ「進撃の巨人」の世界を紐解くキーワードはドイツだ。まずLinked Horizonが歌うオープニング・テーマ「紅蓮の弓矢」(前半)と「自由の翼」(後半)にはドイツ語が使われている。日本のポップスはサザン・オールスターズやミスチルを例に挙げるまでもなく、日本語と英語のちゃんぽんが多い(だからといって彼らが英語に堪能なわけでもない。つまりファッションということ)。だからドイツ語混じりというのは新鮮だ。そして主題歌や劇伴の曲調がどことなくカール・オルフ(ドイツの作曲家)の「カルミナ・ブラーナ」に似ている(特に合唱パート)。「カルミナ・ブラーナ」の特徴であるオスティナート(短い音形の繰り返し)技法もある。聴いていると燃えるね!

「進撃の巨人」で描かれる城塞都市を見て、僕は即座に一度訪れたことがあるドイツバイエルン州のローテンブルク(オプ・デア・タウバー)のことを想い出した(写真は→こちら)。屋根の感じがソックリ。ファンの間ではドイツのネルトリンゲンがモデルというのが定説になっている(→こちら)。

「進撃の巨人」最大の魅力は何と言っても立体機動装置であろう。こんなの見たことない。カッケー!物理的にこんな芸当が可能がどうかはさておき、そのスピード感、躍動感には痺れる。近い将来ハリウッドでも実写映画化されるのは絶対間違いない。世界が放っておくわけがない。また建物や木がない平地ではこの装置が使用出来ないという条件付きなのがいい。つまり万能じゃない。あと立体機動装置はその仕組から言ってコンクリートの建物でも使用不能である。だからこそ舞台がドイツ中世都市なのだろう。

この世界は残酷だ…
そして…とても美しい
(by ミカサ・アッカーマン)

何かを変えることの
できる人間がいるとすれば

その人は きっと…
大事なものを捨てることが
できる人だ

何も捨てることができない人には
何も変えることはできないだろう
(by アルミン・アルレルト)

こういった台詞がグッと来るね。

アニメ「進撃の巨人」は熱い。絶対観逃すな!!

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