桂九雀・雀三郎・松尾貴史「らも噺の会」
7月22日天満天神繁昌亭へ。
作家・中島らも没後10周年を記念してのメモリアルWEEK 2014の一環。
- 桂しん吉/牛乳時代
- 桂 九雀/おかるとかん平
- 出演者全員によるトーク「らも噺を語る」
(司会:前田一知) - 松尾貴史/神も仏もアルマジロ
- 桂雀三郎/明るい悩み相談室
「牛乳時代」はサゲが弱い(”考え落ち”で分かり難い)と思った。
「おかるとかん平」は仮名手本忠臣蔵の「おかる勘平」かと思いきや、最後まで聴くと「オカルトかん平」だったという仕掛けがニクい。九雀はスーツ姿で登場し、床几(しょうぎ)に腰掛けて演じた。そのスタイルが内容に合っていた。ちなみに彼の趣味は将棋(アマチュア3段)なので、それに掛けていたりいて……!?。中島らもと知り合った頃、落語家としては暇で芝居ばかり出演していたという。噺に登場する、次々と転職する主人公について「青い鳥症候群(シンドローム)」なんて紹介も。初めて聞いた言葉。幸福の青い鳥を求め探し続ける旅人のように、「もっと自分に適したものがあるに違いない」と定職につかない青年の思考パターンを意味するらしい。勉強になった。けったいな噺で、しつこい下座(お囃子)も愉しい。
座談会ではらもが古今亭志ん生が好きだったこととか、松尾がしん吉の師匠・桂吉朝と「吉朝・キッチュのメルトダウン落語会」をやり、その時にらもに「神も仏もアルマジロ」を書き下ろしてもらったこととか、落語にしばしば登場する物売りの声が、らも版では「マリファナ、ヘロイン!」だったとか、「雀三郎製(じゃくさんせい)アルカリ落語会」で中島らもにゲストとして出てもらったこと(会の命名も)、「甚兵衛の一生」という超SR(ショート落語)がらもが書いた創作落語第1作ではないかといった話題が。
松尾貴史は名びら(演者の名を記したもの)が”怪し家吃宙(あやしやきっちゅう)”として登場。「神も仏もアルマジロ」は宗教戦争の噺で、奇想天外な展開がすこぶる面白かった。途中「STAP細胞」とか「尾木ママ」といったアドリブも登場し、さすがキッチュ!と唸った。
「明るい悩み相談室」は雀三郎らしくカラッと明るい高座。早口言葉のリピートが音楽的で、歌手としても活躍する彼のニンに合っていた。
最後はカネテツデリカフーズ提供の「ちくわ」投げでお開きとなった。僕もまんまとゲット。
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