ホルンにブラヴィッシモ!!〜スダーン/大フィルのブルックナー
7月18日(金)フェスティバルホールへ。
ユベール・スダーン/大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴く。
- シューベルト/交響曲 第5番
- ブルックナー/交響曲 第4番「ロマンティック」
スダーンのシューベルトは拍子が明快、軽やかで瞬発力がある。転調が連続する第2楽章はニュアンス豊かで動的。第3楽章は勢いとキレがあり、第4楽章は俊敏だった。
僕は今まで散々このオケについて「弦高管低」とか「トランペットとホルンが大フィルのアキレス腱」と叩いてきたが、今年1月首席に高橋将純が就任してからのホルン・パートの充実ぶりが目覚ましい。ブルックナーの「ロマンティック」も冒頭からホルンが朗々と鳴り響き、実に気持ち良い。安心してホルンが聴けるのはなんという歓びだろう!こんな経験は今まで一度もなかったことだ。一方、相変わらずトランペットは第3楽章スケルツォでもたつき、オーケストラの足を引っ張る。Tpが加わると、アンサンブルに綻びが生じる。情けない。
スダーンは速いテンポでオケを推進し、健康的で爽やか。粘り腰とは無縁なので、朝比奈の鈍重なブルックナーに親しんできた者にとってはあっさりし過ぎで物足りないかも知れない。しかし僕はこれもありだと想う。
第2楽章アンダンテもリズミカルで透明感がった。第4楽章 第2主題で「えっ、これって舞踏音楽(dance music)だったんだ」と感じたのはこの演奏が初めて。農民たちの愉しい踊りが目の前に幻視された。
スダーンのブルックナーは多分主流の解釈ではない。しかし僕はまた聴きたいと希う。
| 固定リンク | 0
「クラシックの悦楽」カテゴリの記事
- 映画「マエストロ:その音楽と愛と」のディープな世界にようこそ!(劇中に演奏されるマーラー「復活」日本語訳付き)(2024.01.17)
- キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィル in 姫路(2023.11.22)
- 原田慶太楼(指揮)/関西フィル:ファジル・サイ「ハーレムの千一夜」と吉松隆の交響曲第3番(2023.07.12)
- 藤岡幸夫(指揮)ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 再び(2023.07.07)
- 山田和樹(指揮)ガラ・コンサート「神戸から未来へ」@神戸文化ホール〜何と演奏中に携帯電話が鳴るハプニング!(2023.06.16)
コメント
ご無沙汰しています。
今回は聴きに行けず残念でしたが、代わりに行ってもらった方も金管をほめておられました。
高橋さんのホルンは正確で、弱音が本当に美しいなと思って
注目してきました〜9月のマーラーも楽しみになって来ました!
投稿: jupiter | 2014年7月24日 (木) 03時03分
jupiterさん、コメントありがとうございます。大フィルのホルンは漸く東京のレベルに達しました。
新フェスティバルホールはいろいろな場所で聴いて、結論として2階席の音響が一番いいですね。1階席は音が拡散していく(失われていく)もどかしさがあります。2階席は天井からの反響音とのバランス(ブレンド加減)が丁度いい。今回の定期プログラム後半のブルックナーはフルートの野津さんが降り番で、やはり2階席で聴かれていました。正会員もおおまかな場所を指定したら要望に応えてくれるようになりました。世の中、言ったもん勝ち。お試しください。
投稿: 雅哉 | 2014年7月24日 (木) 08時29分