「ブルージャスミン」〜どうして大スターたちはウディ・アレンの映画に出たがるのか?
ケイト・ブランシェットがぶっちぎりの独走でショー・レースを駆け抜け、アカデミー主演女優賞を受賞したウディ・アレン脚本・監督の映画。公式サイトはこちら。
評価:A
ウディ・アレンは役者の魅力を引き出す達人で、彼の監督した作品でアカデミー賞を受賞した役者のリストを列記すると
- 「アニー・ホール」ダイアン・キートン 主演女優賞
- 「ハンナとその姉妹」ダイアン・ウィースト 助演女優賞
マイケル・ケイン 助演男優賞 - 「ブロードウェイと銃弾」ダイアン・ウィースト 助演女優賞
- 「誘惑のアフロディーテ」ミラ・ソルヴィノ 助演女優賞
- 「それでも恋するバルセロナ」ペネロペ・クルス 助演女優賞
- 「ブルージャスミン」ケイト・ブランシェット 主演女優賞
ものすごい数である。さらに(受賞に至らなかったが)ノミネートされた役者はアレン自身を含め11人に及ぶ。またスカーレット・ヨハンソンが今までで一番魅力的に撮られた作品はアレンの「マッチポイント」(ゴールデングロー受賞ノミネート)だと僕は確信している。だからいくらギャラが安くても、大スターがこぞって彼の映画に出たがるのだ。
さて「ブルージャスミン」の話である。ケイト・ブランシェットの演技は、言わずもがな、圧巻である。彼女が演じるヒロインは神経質で医者から処方された精神安定薬を5-6種類飲んでいる(彼女はそれを「カクテル」と呼んでいる)。これって「アニー・ホール」をはじめウディ・アレンが繰り返し演じてきた男を女に置き換えただけだよね?アレンの「神経質なユダヤ人」役はつくづく飽きたけれど、今回の女版は新鮮だった。
決して救いがある物語ではないけれど、かといって悲壮感もない。基本的にウディ・アレンはヒロインの生き方を肯定している。そりゃそうだよね、自分自身のことだもの。「人間ってこういう生き物だよね」という悲喜劇である。
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