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2014年5月28日 (水)

桂枝光・柳家喬太郎 二人会

5月19日(月)天満天神繁昌亭へ。

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喬太郎人気で補助席や立ち見も出る大入り満員。前回の二人会もそうだったのだが、喬太郎が二席終わるとトリの枝光を聴かずに帰る人7,8人あり。

  • 桂華紋/色事根問
  • 桂枝光/温泉宿(枝光 作)
  • 柳家喬太郎/寝床
  • 柳家喬太郎/諜報員メアリー(喬太郎 作)
  • 桂枝光/堪忍袋

華紋は低い声で歯切れがいい。

創作落語「温泉宿」はお世辞にも出来が良いと言えない。そもそも「北海道の」旅館なのに、その設定が全く生かされていない。口演のテンポも悪く、間延びしている。お粗末。ところで東北や北海道の方言「しばれる(きびしく冷え込む)」の語源は英語の"Shivering"だというマクラがあったが、本当だろうか??

寝床」で金物屋が言う「無尽の親もらいの初回」ってどういう意味?と調べてみたら「無尽」というのは鎌倉時代に庶民の間で始まった相互扶助的な金融制度だそうで、冠婚葬祭などまとまったお金が必要になった時お互いに助け合うために作られたという。喬太郎バージョンは長屋の連中の動向で浜で五十両を拾ったと「芝浜」が出てきたり、「文七元結」や”2ちゃんねる”も登場。「福利厚生」「民衆の声がきこえますか?」「血のメーデー」などといった言葉もポンポン飛び出した。さすが天才。旦那が丁稚の定吉に「明日からお前が番頭な」には爆笑。ジャンプするアクション・シーンもあり、緩急自在、文句なしのパフォーマンスだった。

仲入りをはさみ喬太郎はウルトラマンの出囃子で登場。「いまBSの日本映画専用チャンネルで5のつく日にゴジラ30作品を完全放送中なんです。だからこんなこと(落語)している暇なんかないのね」と。繁昌亭で高座を務めるときは安堵感というか違和感をいつも感じるそう。よくよく考えてみると鈴本演芸場など東京の寄席はみないかがわしい所=繁華街に立地していると(新宿末廣亭は歌舞伎町近く)。楽屋張りにも「最近この界隈では客引きが増えているので注意するように」と書かれていたり。創作落語「諜報員メアリー」は金魚売りを洗脳しロブスター売りに変えて日本経済を混乱させようという計画が余りにもバカバカしくて秀逸。これぞ落語!

堪忍袋」の枝光は汗だくになりながら血管が切れそうなくらいハイテンションな熱演。こっちは良かった。

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