映画「アデル、ブルーは熱い色」
評価:C-
フランス映画。スピルバーグが審査委員長を務めたカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞。映画公式サイトはこちら。
レズビアン映画である。僕は同性愛に全く興味が無いが、高い評価を受けた作品は基本的に観ることにしているので映画館に足を運んだ。
果てしなくつまらなかった。女子高生のアデルがある日、街で青い髪の女を見かけ、一目惚れする。初めて自分の中に潜んでいた同性愛の嗜好に気付くアデル。彼女は女に愛の告白をし、情交し、遂には同棲生活を始める。しかし女が絵の個展のために忙しく働き、相手にしてもらえないのを寂しく思ったアデルは男と浮気する。それがバレて絶交を言い渡され泣き叫ぶアデル。しかし壊れた関係は二度と修復出来ないのであった……。
いや、確かにこの物語ってレズビアンというのが新鮮だけれど、相手を男に置き換えたらよくある陳腐な恋愛話、痴話喧嘩じゃない?僕は評価しないし、スピルバーグがどうして最高賞を与えたのか、全く理解出来ない。そもそも彼の好みのジャンルじゃないしね。それから本作は山本周五郎賞を受賞した中山可穂の小説「白い薔薇の淵まで」とプロットが全く同じであることも指摘しておく。
主人公のアデルにもムカついた。高校の友だちから「あなたを(学校に)迎えに来た女の人、レズビアンじゃない?付き合っているの?」と訊かれても否定し、親にも恋人であることを隠して「哲学を教えてもらっている」と嘘をつく。もっと正直になれよ!そんなに恥ずべきことか?これを観て理解したのは、フランスには未だに同性愛者を蔑視する傾向が根強いということ。アメリカやイギリスと比較するとずいぶん遅れている(社会的に成熟していない)んだね。
これだけ巷で評価が高いのに、僕にとって退屈だったのは同性愛に対する偏見なのだろうか?と自問自答してみた。しかし例えばゲイ映画「Mr.レディMr.マダム」(=ラ・カージュ・オ・フォール,1978)とか「ベニスに死す」(1971)、「太陽がいっぱい」(1960)、「さらば、わが愛/覇王別姫」(1993)、「ウエディング・バンケット」(1993)等は面白いと想うし、傑作だと認めているので、そんなことはない筈だ。結局、映画としての出来が悪いのだろう。画面で青を強調しているのは分かるけれど、なんだかなぁー。
女子高生アデルを演じたデル・エグザルコプロスは決して美人とは言えないが、ナイスバディだった。その恋人エマ役のレア・セドゥを僕が初めて意識したのが「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の殺し屋役。あの時はすごくセクシィだと感じたのに、今回は(バンバン脱ぐにもかかわらず)そうでもなかった。
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