パック・ウィンズ!(with セバスティアン・マンツ)
3月13日(木)兵庫県立芸術文化センターへ。
セバスティアン・マンツ(クラリネット)+兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオケ)木管セクション、三輪郁(ピアノ)で、
- フランセ/小四重奏曲(マンツ編)
- ベートーヴェン/ピアノ五重奏曲 op.16
- モーツァルト/セレナード 第10番「グラン・パルティータ」
セバスティアン・マンツは2008年、滅多に1位を出さないことで有名なミュンヘン国際音楽コンクール・クラリネット部門で40年ぶりとなる第1位に輝いた。現在はシュトゥットガルト放送交響楽団首席クラリネット奏者を務める。
フランセの小四重奏曲は元々、4本のサキソフォンのために書かれた。マンツの編曲はオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンという組み合わせ。第1楽章 冷やかし、第2楽章 しっとりとした歌、第3楽章 滑稽なセレナード。第2楽章はオーボエなし。原曲でもソプラノ・サキソフォンがお休みとなる。滑稽で軽妙洒脱。第3楽章はユーモラスで愉しかった。このアレンジ、いいね!
ベートーヴェンの作品は初期のもので些か退屈。伸びやかな音楽。
「グラン・パルティータ」にはバゼット・ホルンが使用されている。モーツァルトが愛した楽器で、元々クラリネット協奏曲もこの楽器のために書かれたという。フルートなしの13人による演奏。それぞれの音がよく融け合い、極上の響き。アカデミー作品賞・監督賞などを受賞した映画「アマデウス」でも大司教邸の音楽会の場面でこの第3楽章アダージョが流れる。作曲家本人が「僕の最高傑作」と言っていたそうだが、全く異論はない。天国的音楽を堪能した。
アンコールはピアノが加わり再びフランセ/小四重奏曲の第1楽章。これが冗談音楽のようにちょっとした仕掛けがあって(ピアニストは楽譜が見つからないという設定で演奏中にあちこち探しまわり、弾くのは最終の和音だけ)、会場は笑いに包まれた。
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