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2014年2月18日 (火)

いずみホール音楽講座/作曲家・西村朗が案内するクラシック音楽の愉しみ方〈管楽器~その魅力の領域〉

2月13日(木)いずみホールへ。西村朗によるレクチャーを聴講。

演奏は安藤史子(フルート)、大島弥洲夫(オーボエ)、野々口義典(ホルン)、横田健徳(トランペット)、碇山典子(ピアノ)で、

  • J.S.バッハ/無伴奏フルート・パルティータ BWV1013
  • ドビュッシー/シランクス
  • プーランク/オーボエとピアノのためのソナタ
  • 西村朗/独奏オーボエのための迦楼羅(かるら)より
  • ベートーヴェン/ホルン・ソナタ op.17
  • 西村朗/トランペットとピアノのための〈ヘイロウス〉

オーケストラの総譜(スコア)はまず一番上に木管楽器がきて、フルート→オーボエ→クラリネット→ファゴットと順番が決まっている。次が金管楽器でホルン→トランペット→トロンボーン→チューバの順。一番下が弦楽器群。これを替えてしまうと指揮者が混乱するそう。喩えるなら弦楽器群は母なるもの/海のような存在で、その上を各々個性的な管楽器=生物が自由に飛び交っているイメージだと。成る程!腑に落ちた(「腑に落ちる」は正しいか?→NHKサイトへ)。

また西洋の木管楽器は時代とともに進化してきた。現在のフルートは16の穴があり、オーボエは23個ある。それを複雑なキーシステムを駆使して10本の指で制御している。しかし邦楽器は全く逆で、尺八は中国伝来のものより穴の数は少なくなり、龍笛も日本で簡素化され篠笛となり、後退していると。へ~根本的な文化・価値観の違いだね。興味深い。

ドビュッシー/シランクスについては「低音の魅力に注目して欲しい」と。安藤の使用するフルートはプラチナ製。他の材質より重厚な音がするそう。

プーランクは軽妙洒脱、洗練された美しさがあった。

オーボエは鼻で吸気しながら吹く「循環奏法」が出来るそうで、ブレスが必要ないと。西村の曲はまるで汽笛のような響きがする「重音奏法」やダブル・トリルなど特殊が技法を駆使した面白い楽曲だった。オーボエのリードはケーン(葦・あし)から作られる。フランス産が多いという。3回コンサートに出演すると使い物にならなくなるので、オーボエ奏者は絶え間なくリードを削っていなければならない。

ホルン・ソナタはなんとベートーヴェンが生涯で書いた唯一の管楽器のためのソナタなのだそうだ。なんだか意外。ホルンはまっすぐ伸ばすと全長4mとか。

トランペットの場合は全長1m70cm。〈ヘイロウス〉とは光輪のことで、トルコのイスタンブールではかつてビザンチン文化/ギリシャ正教が栄えたが、そこにイスラム教が侵入し宗教画が傷付けられた。それを見て痛ましく想った西村が作曲したと。トランペットが朗々とした響きで神聖な雰囲気を醸し出すが、そこにピアノの不協和音がぶつかり不穏な空気が漂ってくるという構想。

勉強になったし、バラエティに富む楽曲も良かった。これで指定席がワンコイン=500円なのだからお値打ちだ。

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