柚希礼音 主演/宝塚星組「眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に―」
1月9日(木)宝塚大劇場へ。宝塚星組公演、ミュージカル「眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に―」を観劇。
作・演出は宝塚歌劇団のエース、小池修一郎。作曲はミュージカル「ロミオ&ジュリエット」で世界を魅了したフランスのジェラール・プレスギュルヴィック。
ナポレオンを柚希礼音、妻ジョセフィーヌ を夢咲ねねが演じた。
小池の台本は出来不出来の差が激しいが、今回は○。フランス史が分かりやすく描かれているし、物語としても面白い。特にジョセフィーヌのビッチ(Bitch)ぶりには笑った。「清く正しく美しく」愛に殉じる宝塚歌劇の正統的ヒロインとは対極にある。実に痛快だ。本人には(美貌以外)何の才能もないのに、男をとっかえひっかえすることで権力の頂点に上り詰め、国民から「聖母」のように慕われたという点において、ロイド=ウェバーのミュージカル「エビータ」を彷彿とさせる。それから題材的に軍服姿で男役が映えるし、何より柚希礼音が格好よかった。見惚れた。あと後妻マリー・ルイーズを演じた綺咲愛里がすごく美人で目を引いた。
ミュージカル冒頭でナポレオンが宙に浮いた状態で登場し、そのままオーケストラ・ピットを超え銀橋(ぎんきょう)に着地する演出は意表を突き、場面転換もいつもながら鮮やか。さすが小池修一郎だ。
音楽は大傑作「ロミオ&ジュリエット」の”エメ”みたいに、キャッチーな「決め」のナンバーが欠けているのが惜しいが、全体的に質が高く、十分満足出来る仕上がり。どんどん転調するので非常に難しい楽曲ばかりである。しかし柚木は音を外すこともなく、見事に歌い切った。
本作は今後、歌劇団の貴重な財産になるだろう。間違いなく再演はある。
幕間には宝塚ホテルが経営するレストラン「フェリエ」の100周年記念 アニバーサリー アフタヌーンティーセット(1日20食限定)で寛いだ。
外観は宝塚歌劇の大階段(おおかいだん)を模しており、なかなか美味しかった。お勧め。 ただコーヒーのおかわりをしたら2杯目は煮詰まっており、苦かった。
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