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2014年1月31日 (金)

進化した「たちきり」/笑福亭鶴瓶落語会

1月26日(日)兵庫県立芸術文化センターへ。

  • 笑福亭鶴瓶/鶴瓶噺 (約30分)
  • 笑福亭鉄瓶/ちりとてちん
  • 桂かい枝/ハル子とカズ子 (かい枝 作)
  • 笑福亭鶴瓶/かんしゃく
  • 笑福亭鶴瓶/たちきり (立ち切れ線香)

用事があり鶴瓶が西宮北口から武庫之荘まで阪急電車に乗った時、車両の乗客全員から「オォー!」と一斉に見られたそう。以前だったら「鶴瓶や」とひそひそ話が聞こえる程度だったが、明らかに反応が変わった。「半沢直樹」に出演したことが原因だろう。最終回の視聴率は関西地区で50%近くまで行ったわけだし、日本人の約半数が自分が半沢の父を演じたことを知ってくれていると。

最前列に小学校1年生の女の子が座っており、その母曰く「半沢直樹」を見て「この人(鶴瓶)の落語をどうしても聴きたい!」と言ったので連れてきたと。

鶴瓶は昨年の独演会から「半沢直樹」のネジを持ち歩いているのだと言ってポケットから取り出した!撮影で実際に使用された(堺雅人が持っていた)小道具で、ドラマ同様に指輪ケースに入っている。それを小1の女の子に手渡す。「後で返してや」

知り合いからは「(半沢の父が)首吊って笑ったのは初めてや」と言われたそう。「ひどいでしょう?」客席は爆笑。

昨年、吉永小百合から直々に電話があり、「今度の映画で鶴瓶さんのお力を是非お貸しいただきたいの」と言われた。それが吉永企画・主演の「ふしぎな岬の物語」でまもなくクランク・インするという。なんと、吉永の恋人役だそう。「信じられます?あの吉永小百合とですよ!?石原裕次郎や渡哲也と共演してきた」

また今年1月4日にハワイで現地の人に案内され、米軍のゴルフ場(カネオヘクリッパー,Kaneohe Klipper )でゴルフをしたと。すると遠くの方からやって来たのがなんとオバマ大統領!何度もボティ・チェックを受け、コースを廻るのも中断させられた。するとオバマがつかつかと近寄ってきて手袋を外し、握手しながら「私のためにお待たせしてすみませんでした。Happy New Year ! 」と声を掛けてくれたのだとか。

かい枝は鉄板ネタを披露。マクラもいつもと同じ。確かに面白いんだけれど、もう少し冒険心が欲しかった。いや、確かに失敗は許されない場だし、気持ちも分かるのだけれど。

かんしゃく」は八代目桂文楽が得意とした古典落語(明治時代の作品)。オリジナルは実業家が主人公だが鶴瓶は師匠の六代目・笑福亭松鶴に置き換えている(エピソードも異なる)。これがとうしても聴きたかったので嬉しかった!勿論軽やかで秀逸だったし、亡き師匠への思慕の念がよく伝わってきた。

たちきり」は五代目・桂文枝が得意としたネタ。鶴瓶は2007年に高座に掛けているが、今回はリニューアル版での口演。

マクラで成長とともに「おちょぼ」→「半玉(はんぎょく)」→「芸姑(げいこ)」と呼ばれ、芸姑になって初めて線香が使用されるので「一本立ち」すると解説あり。また茶屋はあくまで場所を提供するだけで、芸姑は置屋から手配され、料理も料理屋からの出前であったと。師匠・松鶴の妻「あーちゃん」は元芸姑だったので、鶴瓶をしばしばお茶屋に連れて行ったという。

鶴瓶の「たちきり」は2009年7月に聴いている。その時とはずいぶん印象が変わった。特に驚いたのは終盤。通常の型は仏壇の三味線が鳴り始めてから若旦那が驚くという演出だが、鶴瓶の場合は急にハッとして「小糸……」と言い、それを切っ掛けに三味線が入るのだ。つまり先に若旦那は小糸の「気配」を感じるのである。これには唸った。素晴らしい「たちきり」だった。

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