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ペンデレツキと映画/天才指揮者ウルバンスキ三度(みたび)登場!〜大フィル定期

12月5日(木)、ザ・シンフォニーホールへ。

クシシュトフ・ウルバンスキ/大阪フィルハーモニー交響楽団、ピアノ独奏:フセイン・セルメットで、

  • ペンデレツキ/広島の犠牲者への哀歌
  • モーツァルト/ピアノ協奏曲 第18番
  • ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」

ポーランド出身で現在31歳のウルバンスキを聴くのはこれが3回目である。

ペンデレツキの音楽といえばウィリアム・フリードキン監督「エクソシスト」やスタンリー・キューブリック監督「シャイニング」で使用されている。つまりトーン・クラスター(音塊)はホラー映画によく似合う。「広島の犠牲者への哀歌」はまもなく公開されるアカデミー賞最有力候補「ゼロ・グラビティ」を撮ったアルフォンソ・キュアロン監督の「トゥモロー・ワールド」(2006)に使用されている。その物語はこうだ。

西暦2027年11月。人類は希望を失い世界は恐慌状態に陥っていた。なぜか出産の能力が失われ、18年間にわたって全く子供が生まれないのだ。世界各国が内戦やテロによって壊滅する中……

やはり恐怖や絶望に親和性がある。

生で聴くのは初めて。視覚的・聴覚的に面白い!弦楽合奏曲だが、途中で52人の奏者がバラバラに弾いたり、胴体(表板)を打楽器のように叩いたり。ホラー映画で馴染んできたので、「ムズカシイ現代音楽」という印象もいつの間にか払拭されていた(耐性が出来た??)。ウルバンスキは指をコチョコチョ動かしたり、まるでスパイダーマン。でもトビー・マグワイアより格好いい!手を蝶のように羽ばたかせたり、バネを縦に伸ばすような仕草をしたり、目が釘付け。

ウルバンスキはペンデレツキとストラヴィンスキーを暗譜で振ったが、モーツァルトではミニスコアを使用。音尻は短く小気味よい。こんなに繊細で絹のような質感のモーツァルトは初めて。ピアノも軽やかでよかった。

春の祭典」は先鋭な演奏だが、同時に透明感があり解像度が高い。明晰な指揮ぶりで、最弱音から最強音までオーケストラから無限のニュアンスを引き出す。第1部「大地礼賛」終盤は畳み掛ける緊迫感あり。

ウルバンスキはその天才性を遺憾なく発揮し、大フィルの潜在能力を150%引き出した。はっきり言っちゃうけれど、彼の才能・センスはネルソンスより上だね。ハーディングと同等かな。来年のベルリン・フィル・デビューはセンセーションを巻き起こすに違いない。

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