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2013年10月 8日 (火)

映画「地獄でなぜ悪い」

評価:B

Hell

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テーマは《映画愛》。だからフランソワ・トリュフォー監督「アメリカの夜」とか、ピーター・ボグダノビッチ「ニッケルオデオン」、原田眞人「さらば映画の友よ」、大林宣彦「麗猫伝説」、ジョゼッペ・トルナトーレ「ニュー・シネマ・パラダイス」などに連なる系譜と言えるだろう。しかし本作がユニークなのは、その映画賛歌にクエンティン・タランティーノの血しぶきドバッ!!というテイストを加味したところにある。冒頭で「仁義なき戦い」のテーマをそのまま使っているのもタランティーノぽい。エンニオ・モリコーネそっくりの音楽(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」デボラのテーマ)も流れるしね。

冒頭から夥しい血の量だ。身も蓋もない言い方をすれば悪趣味である。しかし既に「キル・ビル」とか「ジャンゴ 繋がれざる者」を体験済みなので、感覚が麻痺しているのか余り気にならなかった。

タランティーノと一線を画するのは登場人物全員が狂っている、つまりイッちゃっているところかな。

僕はそれなりに愉しめた。しかし一方、本作はあくまで映画マニアのためにのみ存在意義があるという気もする。例えば年に一回しか映画館に足を運ばない人にとっては無縁の作品だろう。決してお薦めしない。

二階堂ふみを初めて観たのは同じ園子温監督「ヒミズ」だった。その第一印象は「顔が宮崎あおいにそっくり!」実際、最初はあおいちゃんが出演しているのかと勘違いしたくらいだ。彼女をちょっと下品にした感じ。どうやら本人も似ていることを気にしているらしく、なんとか違いを鮮明に打ち出そうと必死に藻掻いている印象を受ける。「地獄でなぜ悪い」の二階堂は格好よかった。あおいちゃんには出来ない(演らない)役だ。この調子で突っ走れ!応援しているゼ。

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