スター・トレック イントゥ・ダークネス
評価:A
映画公式サイトはこちら。僕は第一作目のレビュー(こちら)の中でJ.J.エイブラムス監督について「第2作以降はプロデュースに回ったりせず、是非次もメガホンを取って欲しい」と書いたが、希望通りになって嬉しい。ただJ.J.は間もなく「スター・ウォーズ エピソード7」の撮影に入るので、さすがに「スター・トレック」第3作の監督は難しそうだ。
「カラーパープル」(1985)を撮った辺りから、スティーヴン・スピルバーグは重度の「アカデミー賞欲しい病」に罹患し、未だに癒えていない。「シンドラーのリスト」と「プラベート・ライアン」で既に2度も監督賞を受賞したのにそれでも物足りないらしく、「戦火の馬」や「リンカーン」などアカデミー賞狙いの作品を発表し続けている。
というわけでスピルバーグが娯楽映画を撮らなくなった代わりに、八面六臂の大活躍しているのがじぇじぇ!、もとい、J.J.である。いや~今回も大満足。文句なし。
兎に角、プロットがよく練られていてシナリオが素晴らしい。敵が味方になり、味方が敵になり、どんでん返しに次ぐどんでん返しで息つく暇もなし。極上のエンターテイメントを堪能した。新シリーズで初登場となるカーンは実に魅力的なキャラクターだ。
映画の冒頭、未開の惑星でカークが原住民のお宝を奪って逃走し、追っ手から次々に矢を射られる場面は明らかに「レイダーズ 失われたアーク《聖櫃》」へのオマージュだし、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」小惑星帯でのチェース・シーンや「スター・ウオーズ エピソード6/ジェダイの帰還」で第2デス・スターにミレニアム・ファルコンが突入する場面を彷彿とさせる見せ場もあって、ニヤリとさせられる。
マイケル・ジアッキーノが作曲したエンタープライズ号のテーマを聴くだけでワクワクするし、エンディングで前作同様アレクサンダー・カレッジが作曲したTV「宇宙大作戦」のテーマが流れるのも嬉しい。この曲には少年の夢がある。
J.J.の映像センスは改めて凄いと想った。本当に「スター・ウォーズ エピソード7」が愉しみだ。彼が監督してくれるなんて夢みたい。聞く所によると今時としては珍しくフィルムで撮影するらしい。そして巨匠ジョン・ウィリアムズ(御年81歳)がまた音楽を担当する!
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