ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞「嘆きのピエタ」
評価:B-
有史以来、韓国映画が米アカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされたことは一度もない。また、カンヌ/ヴェネツィア/ベルリンの三大国際映画祭で最高賞を受賞したことも一度もなかった。その韓国映画人の悲願を遂にヴェネツィアで達成したのが「嘆きのピエタ」である。しかし韓国はこれをアカデミー外国語映画賞の代表にも選ぶが、米国での評価は芳しくなく結局ノミネートは果たせなかった。
ちなみに日本は「地獄門」「影武者」「楢山節考」「うなぎ」でカンヌ国際映画祭パルム・ドール、「武士道残酷物語」「千と千尋の神隠し」でベルリンの金熊賞、「羅生門」「無法松の一生」「HANA-BI」でヴェネツィアの金獅子賞を受賞している。
映画公式サイトはこちら。
キム・ギドク監督の映画は過去に何本か観ているが、いいと想ったことはことはない。観客の神経をわざと逆撫でするような作風がどうしても好きになれない。
「嘆きのピエタ」も痛い映画だ。プロットはよく練られているが救いのない話で、どうしてこの人は観客を不快にすることばかりを好むのだろうと嫌になる。確かに人間の本性は克明に描かれているが、だから何?という気がする。真実を曝け出せばいいいという姿勢は芸術において必ずしも正しくない。
イケメン俳優が出ていないし、韓流ながら映画館の9割は男性客だった。
結論。この程度で金獅子賞が獲れるなら、宮崎駿監督の「風立ちぬ」も充分可能性があるのではないだろうか?
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