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五嶋みどり & Young Artists 「第6回 ICEP バングラデシュ/日本 活動報告コンサート」

6月13日(木)ザ・フェニックスホールへ。

Goto

五嶋みどり(Violin)、本田早美花(Violin)、ウィリアム・フランプトン(Viola)、ヒロ・マツオ(Cello)で、

  • ヴェルディ/弦楽四重奏曲
  • ストラヴィンスキー/弦楽四重奏のための3つの小品
  • 活動報告
  • ラヴェル/弦楽四重奏曲

大阪府出身の五嶋みどりが、アメリカで非営利団体「みどり教育財団(Midori & Friends)」を設立したのは1992年、彼女が21歳の頃だった。2002年「みどり教育財団」東京オフィスを改組し、特定非営利活動法人「ミュージック・シェアリング」を発足。2006年より発展途上国において社会貢献目的で演奏活動を行うInternational Community Engagement Program( ICEP )を開始した。彼女はオーディションで選ばれた若手演奏家たちとカルテットを編成し、これまでにベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマーなどで無料のコンサートを開催している。

昨年12月はこのメンバーでバングラデシュを訪問。スライドを交えてその報告会もあった。五嶋さんが喋るのを初めて聴いたが、しっかりした口調で饒舌。芯が強い人だなと感じた。音楽家としてというよりも、まずひとりの人間として尊敬すべき女性だと甚く感銘を受けた。

プログラム前半のヴェルディとストラヴィンスキーは五嶋さんが第1ヴァイオリン、後半のラヴェルはロンドン育ちの本田さんが第1ヴァイオリンだった。

ヴェルディは第2ヴァイオリン(本田)の艶かしい音で開始される。動きと切れのある演奏。五嶋さんのヴァイオリンは弓で弦を押さえ過ぎず軽やか、左手のヴィブラートは繊細で目視出来ないくらい。あっさりして禁欲的表現だった。

一転してストラヴィンスキーでは激しく原始的リズムを強調。ここでは弓を押し付け、粘着質で濃い表情を作る。

ラヴェルは繊細な表現力に魅了された。鮮烈な第1楽章、第2楽章は激しいピッツィカートが突き刺さる。第3楽章は極彩色の幻影。全体を通して、触れれば壊れる硝子細工のような儚(はかな)い夢を描く。トレビアン!

常設のカルテットではないが、想像をはるかに上回る会心のパフォーマンスであった。曲ごとの性格の違いによる描き分けが素晴らしかった。来年はメンバーが替わるかもしれないが、是非また聴きたい。

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