大フィルでウォルトンのパルティータ!
6月21日(金)ザ・シンフォニーホールへ。
レオン・フライシャー/大阪フィルハーモニー交響楽団で、
- ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲(独奏:崔 文洙)
- ラヴェル/組曲「クープランの墓」
- ウォルトン/管弦楽のためのパルティータ
ベートーヴェンは優しく、柔らかい音で開始され、第2主題で憂いを帯びる。
今回つくづく思い知ったこと。ベートーヴェンの偉大さは重々承知しているが、ヴァイオリン協奏曲は全然好きじゃないこと。冗長で退屈なのだ。ピアノ協奏曲とかヴァイオリン・ソナタにはそんなこと感じないのだが。考えてみるとメンデルスゾーンやブラームスのヴァイオリン協奏曲も面白くないんだよね。僕がいいと想うのはコルンゴルト、ロージャ・ミクローシュ(ミクロス・ローザ)、シベリウス、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。特に究極の美しさを誇るコルンゴルトは是非一度、実演で聴きたいと希っている(大フィル定期で取り上げられたことは未だかつてない)。
なお、ソリストのアンコールはJ.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番から。ビリオド・アプローチを熟知している崔さん。こちらはほぼ、ノン・ヴィブラートで弾き切った。
ベートーヴェンはかなりゆったりしたテンポだったが、ラヴェルは速めの演奏。繊細でニュアンス豊か。「魔法の国」に彷徨い込んだかのような錯覚に囚われた。
今回一番愉しみにしていたのがウォルトン。僕がこの作曲家の作品を初めて聴いたのが中学生の時。忘れもしないスタンリー・ブラック指揮ロンドン・フェスティバル管弦楽団の演奏で映画「スピットファイア」~前奏曲とフーガであった。むちゃかっこ良くて痺れた!それからジョン・ウィリアムズ指揮ボストン・ポップスのアルバムで聴いた戴冠式行進曲「王冠」と「宝玉と王の杖」も颯爽としていてお気に入りだった。「管弦楽のためのパルティータ」を聴けば、ジョン・ウィリアムズがいかにウォルトンからの影響を受けているかがよく分かる。特にインディ・ジョーンズ・シリーズのチェイス・シーンや「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」の”小惑星の原野”を聴き比べれば明らかだろう。
ウォルトンを他のイギリスの作曲家、例えばヴォーン=ウィリアムズやエルガー、ブリテンと分かつのは、リズミカルで躍動感溢れる点である。その特徴がジョージ・セルの委嘱で作曲された「管弦楽のためのパルティータ」によく表れている。むしろ同時代の作曲家ならストラヴィンスキーやプロコフィエフに作風が近い。
フライシャーはエネルギッシュな第1曲「トッカータ」からオケをがなり立てたりはしない。明晰で、丁寧な解釈。静かな第2曲「シチリア風牧歌」を経て、第3曲「ブルレスク風ジーグ」は爽快なドライブ感があった。生でこの20世紀の名曲を聴けて本当に嬉しかった。
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