柳家さん喬 ひとり舞台@亀屋
6月16日(日)高槻の割烹旅館・亀屋へ。柳家さん喬を聴く。
- 短命
- 船徳
- 中村仲蔵
”美人薄命”と”月下美人”との関係をマクラに「短命」ヘ。師匠の五代目・柳家小さんは「短命」ではなく、縁起を担いでネタ帳には「長命」と書いていたそう。冬や夏、季節折々の風景を描写し、囁くようなpp(ピアニッシモ)から大音量のff(フォルテッシモ)までダイナミックな高座。また、日本人の死生観についての考察あり。落語には人の死を扱ったものが少なからずあるが、そういう状況を笑いにする感覚は欧米にはないと。僕が思うに、これはキリスト教が支配的な国々と、無宗教である日本人との違いではないだろうか?
四万六千日の縁日にちなんだ浅草寺の「ほおずき市」(7月9日・10日)。それを盛り込んだ「船徳」が続いて演じられた。若旦那の陽気さが印象的。
江戸の落語家にあリ、上方にはない身分制度。「二つ目」になると紋付を着ることが許され、「真打」になるとトリを取れるそう。
お稲荷さんは芸の神様で、歌舞伎の楽屋には通常稲荷を祭った神棚があった。一番位の低い役者はこの下が定位置だったので「稲荷下」と呼ばれたそう。ここから「名代(なだい)」まで出世したのが「中村仲蔵」であるとマクラで解説された。ストイックな美しさを湛えた高座。
また蕎麦を食べる所作がネタの後半に登場するのだが、さん喬さんはしっかり麺の1/3しか汁につけなかった。これが正しい食べ方なのだが、最近では東京の蕎麦屋で見ていても全部漬ける人が多いことに呆れるばかりである。粋じゃない。江戸っ子たぁ言えねぇなぁ。
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