「4 Stars」レア・サロンガ、ラミン・カリムルー/世界で活躍するミュージカル・スター夢の競演!
6月27日(木)梅田芸術劇場へ。
「4 Stars-One World of Broadway Musicals」を鑑賞。世界的ミュージカル・スターによるガラ・コンサートだ。
出演者は以下。
レア・サロンガ:1989年にロンドンで初演されたミュージカル「ミス・サイゴン」キム役オリジナル・キャスト。ディズニー・アニメ「アラジン」のジャスミン姫、「ムーラン」のタイトルロールも歌った。また「レ・ミゼラブル」10周年記念コンサートではエポニーヌ役、25周年ではファンテーヌ役に抜擢された。
ラミン・カリムルー:「オペラ座の怪人」の続編「ラヴ・ネヴァー・ダイズ」ファントム役オリジナル・キャスト。また「オペラ座の怪人」25周年記念コンサートでもファントムに抜擢された。その後「レ・ミゼラブル」ロンドン公演でジャン・バルジャン役を務めた。「レ・ミゼラブル」25周年記念コンサートではアンジョルラスを演じた。
シエラ・ボーゲス:ディズニー製作によるブロードウェイ・ミュージカル「リトル・マーメイド」アリエル役オリジナル・キャスト。「オペラ座の怪人」ラスベガス版と25周年記念コンサート、「ラヴ・ネヴァー・ダイズ」ロンドン公演でクリスティーヌを演じた。
城田優:宮本亜門演出「スウィーニー・トッド」で水夫アンソニー役に起用される。小池修一郎演出ウィーン・ミュージカル「エリザベート」でトート、フレンチ・ミュージカル「ロミオとジュリエット」でロミオを演じ人気が爆発。NHK朝ドラ「純と愛」にも出演。
レアはフィリピン人、ラミンはカナダ育ちのイラン人、城田はスペインと日本のハーフ、シエラはアメリカ人と国際色豊か。そのルーツを活かした選曲もあった。
編曲・ピアノ・指揮はジェイソン・ロバート・ブラウン:オブ・ブロードウェイで上演されたミュージカル「ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド」や「ラスト・ファイブ・イヤーズ」を作詞・作曲した。29歳の時、ミュージカル「パレード」の楽曲でトニー賞を受賞。
曲目は、
★シカゴ「ALL THAT JAZZ」(全員)
~ロジャーズ&ハマースタイン特集~
★オクラホマ「美しい朝」(全員)
★フラワー・ドラム・ソング「Love Look Away」(レア)
★王様と私「仲良くしましょう(Getting To Know You)」(シエラ)
★南太平洋「魅惑の宵」(ラミン)
★回転木馬「You'll Never Walk Alone」(全員)
★ガイズ・アンド・ドールズ「Guys And Dolls」(ラミン、城田)
~ディズニー・アニメの世界~
★リトルマーメイド「Part of Your World」(シエラ)
★ムーラン「Reflection」(レア)
★アラジン「A Whole New World」(全員)
~スティーヴン・ソンドハイムの世界~
★カンパニー「Another Houndred People」(レア)、「Being Alive」(ラミン)
★スウィーニー・トッド「ジョアンナ」(城田)
★イントゥ・ザ・ウッズ「No One is Alone」(全員)
★ラヴ・ネバー・ダイズ「君の歌を聞けるまで('Til I Hear You Sing)」
★モーリー・イェストン版ファントム「YOU ARE MUSIC」(城田、シエラ)
★オペラ座の怪人「オペラ座の怪人」(ラミン、シエラ)
「All I Ask of You」(城田、シエラ)、「The Music of the Night 」(ラミン)
★レ・ミゼラブル「On My Own」(レア)、「Bring Him Home」(ラミン)
「夢やぶれて」(シエラ)
~4人が5つの言語で歌うコーナー~
★Remainder(日本語&英語、ラミン)
★Isabel(スペイン語、城田)
★Ikaw-あなた(フィリピン(タガログ)語、レア)
★歌劇「ボエーム」~ムゼッタのワルツ(イタリア語、シエラ)
★エリザベート「最後のダンス」(城田)
★ミス・サイゴン「Why, God, Why」(ラミン)
「Last Night of The World」(ラミン、レア)、「命をあげよう」(レア)
★Godspell「Bless The Lord」(全員)
★A Little Princess「Live Out Loud」
~ジェイソン・ロバート・ブラウンの世界~
★Songs for a New World「The New Wolrd」(全員)
★The Last 5 Years「Still Hurting」(レア)、「Moving Too Fast」(ラミン)
★ウエストサイド物語「Somewhere」(全員)
★ラ・カージュ・オ・フォール「The Best of Times」(全員、アンコール)
ジェイソン・ロバート・ブラウンのアレンジはJazzyで都会的。「You'll Never Walk Alone」とか「Somewhere」などは原曲とかなり雰囲気が異なり、すごく面白かった。
今回歌われたミュージカルの本篇(全曲)を舞台で鑑賞したことがあるのは14作品(+歌劇「ボエーム」もミラノ・スカラ座来日公演を観ている)。だから歌を聴きながら色々と懐かしく想い出した。
特にレア・サロンガの「命をあげよう」は絶唱で、「ミス・サイゴン」日本初演時に故・本田美奈子のキムで観た時の感激がまざまざと脳裏に蘇ってきた。正直言ってレアの声が全盛期に比べると衰えていることは否めない(だって初演から既に24年が経過しているのだ)。「レ・ミゼラブル」も10周年記念コンサートの時(1995年)と比べると些か苦しいものがあった。しかし「ミス・サイゴン」は別格だった。「やはりこの人の右に出る者はない」という圧倒的説得力。僕は聴きながら涙で頬が濡れるのをどうにも出来なかった。
「ミス・サイゴン」は長年、岩谷時子さんの名訳詞で親しんできたが、今回「命をあげよう」を英語で聴いてアラン・ブーブリルの原詩も本当に素晴らしいなと改めて想った。特にグッと来たのが以下の行である(岩谷訳も併記)。
You will be who you want to be
You, can choose whatever heaven grants
As long as you can have your chance
I swear i'll give my life for you神の心のまま 望むもの選ぶの
つかまえなさいチャンス 命をあげるよ
正に母親の、子どもに対する無償の愛に溢れている。
あとレアは母国フィリピンの歌「Ikaw(イカウ)」もしみじみと良かった。
ラミン・カリムルーは張りのある声に痺れた。特にファントムを歌わせたら、彼は現在世界一ではないだろうか?ギターの弾き語りをした「Remainder」も格好よかった。意外と彼、ミュージカル「RENT」みたいなロック・ミュージカルでもいけるのでは?
シエラ・ボーゲスの歌唱はとにかく高音が美しい。「リトル・マーメイド」はさすがオリジナル・キャストだなとすっかり魅了された。クリスティーヌも文句なし。美人だしスタイルは抜群。正にスター。
2011年に城田優を「ロミオとジュリエット」で観た時は、「確かに背が高くイケメンだけど、歌はイマイチ。音程が不安定」という印象だった。しかし久しぶりに聴いて驚いた。明らかに上手くなっている!音域も広がった。日々ボイス・トレーニングを積んでいるんだなということがよく分かった。(失礼ながら)意外にも努力家なんだ。また彼の舞台を観てみたいと想った。
これ以上は考えられないというくらい贅沢で、充実したコンサートだった。観客は興奮状態で、「ひゃ~」「めっちゃ感動した!」「陶酔……」といった声があちらこちらから聞こえた。このような企画を是非再び実現して欲しいと願いつつ、僕は帰途に就いた。
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