寺神戸亮/深遠なる無伴奏ヴァイオリンの世界~バロック時代のヴィルトゥオーゾ達~
4月5日(金)大阪府豊中市にあるノワ・アコルデ音楽アートサロンへ。
寺神戸亮さんのバロック・ヴァイオリンで、
- バルツァー/プレリュード ト長調、
「ジョン、来て、キスして」によるディヴィジョン - ヴェストホフ/無伴奏ヴァイオリンのための組曲 第1番
- ビーバー/パッサカリア ト短調(「ロザリオのソナタ」より)
- タルティーニ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第20番
- ルーマン/アッサジオ 第4番
- ピゼンデル/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ イ短調
- J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番
~アンダンテ(アンコール)
前半は17世紀の楽曲で、後半は18世紀、バッハと同時代の作曲家の作品。全員高名なヴァイオリニストだったという。
バルツァーはドイツに生まれ、イギリスに渡った。スコットランド民謡の変奏曲。
ヴェストホフはワイマールでカペルマイスター(宮廷楽長)を務め、J.S.バッハの上司だったそう。重音奏法が多用され重厚な響き。
ビーバーはボヘミアに生まれ、ザルツブルグで活躍した。「ロザリオのソナタ」は曲ごとに調弦を変え、「ヴァイオリンという楽器の新しい可能性を引き出しました」と寺神戸さん。
タルティーニはイタリア人で、ルーマンはスウェーデン王宮に務めた。現在は世界遺産になっているドロットニングホルム宮廷劇場は1766年に建設された。舞台背景画は屏風のような可動式パネルで、早変わりも可能だという。
ピゼンテルはドイツのドレスデンで活躍した作曲家でヴィヴァルディの弟子。大バッハより2歳年下。技巧的楽曲だった。
ガット弦を張ったバロック・ヴァイオリンは澄んだ音がするモダン楽器とは違い、雑味があり豊かな倍音を含む。音に厚みがある。
タルティーニ以外は初めて聴く作曲家ばかりだったが、肩の力を抜き、古の響きに耳を澄ませ、全身で吸収した。穏やかな春の宵を愉しんだひとときであった。
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