カンヌ国際映画祭パルムドール&アカデミー外国語映画賞受賞「愛、アムール」
評価:B+
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カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール、さらに米アカデミー外国語映画賞にも輝いた問答無用の作品だ。しかしね、アカデミー賞にはオーストリア代表として出品されたのだが(フランス代表は「最強のふたり」)、舞台はパリで言語はフランス語なのだからインチキじゃない??ちなみに監督のミヒャエル・ハネケはドイツ・ミュンヘン生まれ、現在はオーストリア・ウィーン在住。まあ黒澤明がソヴィエト連邦で撮った「デルス・ウザーラ」を日本代表で出品するようなもんだね(実際はソ連代表としてオスカーを受賞)。
老いとか夫婦愛をしっかり見つめた立派な映画。しかしテーマやプロットは目新しいものではなく、結末も想定内で「これが世間を騒がせるほどの傑作かぁ?」と僕は甚だ疑問に感じた。
正直、ハネケとは「白いリボン」でも相性が悪かったんだよね。
近年アカデミー外国語映画賞を受賞した作品なら、「おくりびと」(日本)とか、「未来を生きる君たちへ」(デンマーク)、「別離」(イラン)等の方が僕は断然好きだな。
史上最高齢(85歳)でアカデミー主演女優賞にノミネートされたエマニュエル・リヴァはアラン・レネ監督「二十四時間の情事」(1959)で有名だが、このフランス語の原題は「ヒロシマ・モナムール」(Hiroshima, mon amour)。正に《アムール女優》だね!
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