〈工藤重典&関西の笛吹きたち vol.3〉フルート・ライブ・セッションinフェニックス
2月10日(日)フェニックス・ホールへ。
フルート:工藤重典、フィリップ・ベルノルド、ニコリンヌ・ピエルー(日本センチュリー交響楽団)、前田綾子(東京佼成ウインドオーケストラ)
ピアノ:岡田真季 で、
- ハイドン/神への夕べの歌
- モーツァルト/2本のフルートとピアノのためのソナタ
(原曲:2台のピアノのためのソナタ)K.448 - カステレード/笛吹きたちのヴァカンス (四重奏、ピアノなし)
- プーランク/フルート・ソナタ (ベルノルド)
- ドップラー兄弟/2本のフルートのためのハンガリアン幻想曲
- ユゲス/ヴェルディの歌劇「仮面舞踏会」の主題による大幻想協奏曲
- ボノー/ディヴェルティメント (四重奏+ピアノ)
- クーラウ/フルート四重奏曲より終楽章 (アンコール)
- モーツァルト/アンダンテ (アンコール)
工藤さんは第1回ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクールの優勝者であり、ベルノルド氏は第3回の優勝者。ちなみにこのコンクールは過去8回開催され、うち3度も日本人が第1位グランプリの栄冠を勝ち取っている(さらに瀬尾和紀さんが第1位なしの2位で入賞)。日本人って弦だけじゃなく、笛も得意なんだね。多分それは篠笛・龍笛の文化と無関係ではあるまい。だって牛若丸(義経)だって吹いていたんだから。
今回演奏した4人のフルーティストたちはいずれも達人だったが、些か前田さんの息の音が気になった。100%楽器の音色に変換されず、漏れているというべきか。
ジャック・カステレード(1926- )はフランスの作曲家だが「笛吹きたちのヴァカンス」は燦々と降り注ぐイタリアの陽光と、その色彩の微妙な変化を感じさせる曲。調べてみると案の定、作曲家はローマ大賞を受賞した翌年から5年間ローマに留学していたらしい。
プーランクは一陣の風が吹き抜けるよう。冒頭の繊細なpp(最弱音)にゾクゾクした。一方、終楽章は鋭く突き刺さるような演奏で、その対比が鮮やかだった。
華麗なドップラー兄弟、超絶技巧の「仮面舞踏会」にも魅了された。
また初めて聴いたポール・ボノー(1918-1995)のディヴェルティメントはカフェで午後のひとときを優雅に過ごしているような雰囲気があり、大好きになった。ちょっとミシェル・ルグランの「シェルブールの雨傘」とか「ロシュフォールの恋人たち」に近い感じ。
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