フルシャ/大フィルのバルトーク、チャイコフスキー、ボロディン
12月10日(月)ザ・シンフォニーホールへ。
ヤクブ・フルシャ/大阪フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会第1日目。
- バルトーク/組曲「中国の不思議な役人」
- チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
- ボロディン/交響曲 第2番
フルシャは1981年チェコ生まれ。31歳という若さだが、彼を聴くのは3回目となる。
- 東欧の響き/大阪フィルハーモニー定期 (2009)
- フルシャ/大フィル定期 with 中村紘子 (2010)
バルトークは遅いテンポで開始。アクセントを強調し、弦の強奏が強烈。前回も書いたがこの指揮者はリズム感が素晴らしい。最後は爆発的にエネルギーが噴出。バーバリズムの宴を堪能した。
余談だがWikipediaによると、タイトルの"Mandarin"が宦官を指すのか、否かは未だに議論されている模様。僕は去勢派を支持する。だって、そうじゃなければ「中国人」である必然性がないように想う。宦官なら、より物語の切実さが増すでしょ?
さて、ヴァイオリン独奏のクリストフ・バラーティは以前も聴いたことがあるが、未だ感心したことはない。
チャイコフスキーのソロは伸びやかで涼しげに弾くが、この人は良くも悪くも「軽く」て「薄い」。つまり「淡白」なのだ。やっぱり好きになれないなぁ。
一方、フルシャ/大フィルの機動力はお見事!リズムが明確でイントネーションがはっきりしている。この作品から民族舞曲としての性格を聴き取れたのは今回が初めて。ソロは×で伴奏は◎だった。
バラーティのアンコールは、
- J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番よりアダージョ
ヴィブラート過剰で下品。華美に過ぎる。論外だ。
プログラム後半のボロディンは重々しい弦のユニゾンで開始される。一方、木管は軽やかでその対比が鮮明だった。第2楽章はホルンの高速ダブルタンギングが均一に響かず、汚かったのが残念。プロなら「吹けて当たり前」では?しかし、それ以外は文句なし。特に民族舞踏に彩られた終楽章は動的で生命力に溢れ、血潮が沸騰するような演奏だった。
またボロディンではフルシャがポケットスコアを見ながら指揮していたのが印象的だった。
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