ウィーン弦楽四重奏団@いずみホール
11月14日(水)いずみホールへ。ウィーン弦楽四重奏団を聴く。
- ハイドン/弦楽四重奏曲 第39番「鳥」
- ベートーヴェン/弦楽四重奏曲 第16番
- シューベルト/弦楽四重奏曲 第14番「死と乙女」
第1ヴァイオリンのウェルナー・ヒンクは元ウィーン・フィルのコンサートマスターで御年69歳。高齢なので技術の衰え、綻びは覆い隠せないものがあった。
やはりウィーン・フィルのコンサートマスターを務めたことがあり、2008年にアルバン・ベルク弦楽四重奏団を解散したギュンター・ピヒラーが72歳なので、同世代といえるだろう。引き際は肝心だなと想った。
だからウィーン弦楽四重奏団はヒビの入った骨董品ではあるが、同時にそれはそれなりの年季が入った良さ、味わいがあったのも確かである。
ハイドンやベートーヴェンは穏やかで気品がある。たおやかで馥郁たる表現力。節度あるヴィブラートにも好感が持てる。鋭利な刃物のようにモダンだったアルバン・ベルク弦楽四重奏団とは対極にある演奏。
シューベルトも緊張感より親密さ。作曲家自身がそう音楽を愉しんだように、親しいもの同士でホーム・コンサートをしているような雰囲気があった。
アンコールは、
- ハイドン/弦楽四重奏曲 第77番「皇帝」第3楽章
- ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」第4楽章
ハイドンではウィーンのカフェでウィンナ・コーヒーを飲んでいる気分になり、ドヴォルザークからは花の香りがした。
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