スダーン/大フィルのシューベルト「大ハ長調 交響曲」
11月25日(日)いずみホールへ。
ユベール・スダーン/大阪フィルハーモニー交響楽団、ピアノ:インゴルフ・ヴンダーで、
- ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第4番
- シューベルト/交響曲 第8番 ハ長調「ザ・グレイト」
弦は対向配置ではなく通常のもの。ノン・ヴィブラート奏法ではないが、アーティキュレーションに於いてピリオド・アプローチを取り入れた解釈だった。クラシカル・ティンパニ(ピリオド楽器)を使用。
明瞭な発音とアクセントで表情を付けた、弾けるベートーヴェン。決してテヌート気味になることなく、清々しい。第2楽章の弦楽器は強奏で決然としており、優しく奏でるピアノと好対照になっている。
オーストリア出身で2010年ショパン国際ピアノコンクールで2位となったヴンダーの弾き方は剛直で、「繊細・華麗・精緻」といった言葉とは対極にある。バックハウスとかケンプに連なる印象で、「ああ、これがドイツ・オーストリア系のピアニズムなのか」と想った。ちなみにバックハウスのカデンツァが使用された。
ソリストアンコールは
- ショパン/子守唄 変ニ長調 OP.57
シューベルトの「ザ・グレイト」は7番とか9番とか呼ばれていた時期もあり混乱していたが、新シューベルト全集楽譜およびシューベルト協会の合意で8番に落ち着いた模様。ロ短調「未完成」は第7番だそう。
しかしシューベルトはオーストリアの作曲家なのだから、英語読みは変だろう。イギリスの楽譜出版社が「ザ・グレイト」と名付けたのだそう。実にくだらない理由だ。第6番が「小ハ長調」、こちらが「大ハ長調」でいいんじゃない?
シューマンはこのシンフォニーを「天国的」と評したが、彼がそう言う時は「冗長で退屈」であることを意味する。今回のスダーン/大フィルはその従来のイメージを根底から覆し、躍動し、踊るシューベルト像をくっきりと描き出した。
第1楽章から颯爽として生命力・活力に富み、歯切れがいい。提示部の繰り返しは省略。第2楽章も弾けるリズムが心地よい。第3楽章は天地鳴動し、弦と管のコントラストが鮮明。そして第4楽章。推進力があり、そのドライヴ感に胸がすく想いだった。
クラシカル・ティンパニが絶大な効果を発揮したことも特筆に値する。ウィーン音楽祭 in OSAKAの掉尾を飾るに相応しい、画期的名演だった。
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