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2012年11月21日 (水)

第25回全日本マーチングコンテスト(高校以上の部)2012 前編

吹奏楽連盟に物申す。

全日本マーチングコンテストは今年から規定でドラムメイジャーのバトンとカラーガードのフラッグの放り投げが禁止になった。マーチングの魅力が減じられ、がっかりした。どうしてこんなくだらない規制をかけるのか?「放り投げは点数に加算されない」でいいではないか。したい団体にはさせればいい。「安全性」など、次元の低い言い訳である。

全日本マーチングコンテストは所詮後発であり、先行するマーチングバンド・バトントワーリング大会と差別化を図りたい気持ちは分かる。しかし、そんなことは「大人の事情」に過ぎない。子供たちを巻き込むな。来年からこの愚かな新ルールが撤廃されることを心から望む。

11月18日(日)大阪城ホールへ。

Ma1

今年金賞を受賞したのは以下の団体。

東関東代表 柏市立柏高等学校(千葉)、習志野市立習志野高等学校(千葉)、千葉県立松戸六実高等学校

西関東代表 埼玉県立伊奈学園総合高等学校

関西代表 箕面自由学園高等学校(大阪)、大阪桐蔭高等学校大阪府立淀川工科高等学校滝川第二高等学校吹奏楽部(兵庫)

九州代表 熊本県立熊本工業高等学校精華女子高等学校(福岡)

千葉と大阪強し!北海道(1)は、東北(2)は2,四国(2)は2。例年のことだが、地域格差が歴然としている。

地元関西から感想を書いていこう。淀川工科高等学校(淀工)は毎年内容が同じなので省略。

箕面自由学園高等学校 曲目は輝ける時(真島俊夫)-シン・レッド・ライン(アルフォード)-シャンソン・メドレー「モンマルトルの小径」(真島俊夫)。弾けるステップ。よく揃っている。そして歯切れのいい演奏だった。

滝川第二高等学校吹奏楽部 祝典歌劇「リプシェ」ファンファーレ(スメタナ)-マーキュリー(ヴァン=デル=ロースト)-マラゲーニャ(レクオーナ)。滝二といえばヴァン=デル=ローストの「アルセナール」が十八番。曲を替えてきたのでびっくりした。人数は意外と少ない。ズボンのせいか、すらっとした足が揃っていて美しい。またステップの変化が見ていて愉しい。

大阪桐蔭高等学校 戴冠行進曲「宝玉と勺杖」(ウォルトン)-女王への忠誠(アーノルド)。まず梅田隆司先生の選曲センスが抜群にいい。今年は20世紀イギリスの作曲家で統一してきた。洒落ている。ウォルトンの「宝玉と勺杖」(ほうぎょくとしゃくじょう。別名「宝玉と王の杖」)は1953年エリザベス2世の戴冠式のために作曲された行進曲。アーノルドは映画音楽「第六の幸福をもたらす宿」でも吹奏楽ファンにお馴染み。「女王への忠誠」は元々バレエ音楽で、超高速の途轍もない難曲だった。吹奏楽コンクール自由曲で取り上げる団体もあるらしい。僕は「熊蜂の飛行」を連想した。桐蔭は恐らく100人を超える大人数で壮観。音の迫力もすごい。途中、合唱(ハミング)付き。精緻な演奏でパーフェクト。

関西以外の団体は後編にて。Coming soon...

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コメント

後編を早く読みたいです。ヨロシクお願いします。

投稿: ぷりっつ★×★ | 2012年12月 1日 (土) 01時35分

>ぷりっつさん

近いうちに書きます

野田総理が「近いうちに解散する」と発言したのが8月。実際に衆議院が解散されたのは11月13日で99日目のことでした。

僕もこの言葉は「重く受け止めて」いますので、今年中に約束を果たします。……とまぁ冗談はさておき、来週中には仕上げますからご期待下さいね。

投稿: 雅哉 | 2012年12月 1日 (土) 17時54分

後編楽しみです❤❤❤

投稿: 習志野ファン_(:3 」 ∠)_ | 2012年12月 2日 (日) 16時48分

>習志野ファンさん

日テレ「笑ってコラえて!」マーチングの旅2012が3時間半のスペシャル版として12/5(水)に放送されるようなので、それまでには必ず上げますね!

投稿: 雅哉 | 2012年12月 2日 (日) 21時42分

放り投げは昨年までも加点や減点対象にはなっていないとおもいます。が、華やかで高く上がったバトンをキャッチしたら審査員も気持ち的に加点してる場合はあったでしょうね。

バトントワリングのバトンとメジャーバトンは重さが違います。
万が一、子供たちに怪我をさせてしまったら。行きすぎた演出や行きすぎた観客のせいで、もっと高くほかよりもっと高く素早く。そんなヒートアップした大会になってしまってるんです。本来の動きと音だけでしっかりと見せれているのに。
その観客や指導者の行きすぎたせいで、子供たちが怪我をしたら。きっと見えない努力の中で手や体にあざや怪我をしてるドラメは全国にたくさんいたはずです。
放り投げ禁止により、すくなくとも吹奏楽連盟の大会のために重く危険なバトンで怪我をする子供たちがいなくなったとおもうとほっとしています。

一度ご自分でメジャーバトンをもって高くほおりなげてみたらわかりますよ。

あの重さのものが5m以上あがってくるくる回転してくる恐怖が。

投稿: | 2012年12月12日 (水) 01時46分

名乗られないのは失礼だと思いますが、まぁ掲載を認めましょう。

>その観客や指導者の行きすぎたせいで、子供たちが怪我をしたら。きっと見えない努力の中で手や体にあざや怪我をしてるドラメは全国にたくさんいたはずです。

憶測で論じるのはやめましょう。不毛です。具体的にどういう事例があったか教えてください。

>本来の動きと音だけでしっかりと見せれているのに。

バトンの放り投げがマーチングの本質と関係ないことは認めます。それならいっそのことカラーガード隊も禁止にしたらどうでしょう?さぞかしつまらない大会になることでしょう。

危険だから禁止というのはくだらないと思います。そんなことを言い出したら高校生のチアリーディング大会なんて出来ないですよね?バトンの放り投げが技術的に危険だと判断した団体は、しなければいい。自主性に任せれば済む話であり、ルールで明文化する必然性はありません。

>一度ご自分でメジャーバトンをもって高くほおりなげてみたらわかりますよ。あの重さのものが5m以上あがってくるくる回転してくる恐怖が。

それは政府の政策を批判する人に対して、「じゃあお前が総理大臣をやってみろ。大変さが分かるから」と言うのと同じ理屈ですよね。

投稿: 雅哉 | 2012年12月13日 (木) 10時37分

本当にそう思います。
バトンが投げられなくなって、ドラメの人は頑張って練習していたのに悔しそうでした。

演技している側のモチベーションもありますし…
あの規定は変更されるのでしょうか。

投稿: 壱華 | 2013年1月21日 (月) 21時57分

壱華さん、コメントありがとうございます。

当然、このような愚かな規定改正は取り消されるべきです。もしそれが出来ない(自分の非を認める勇気がない)のであれば、日本吹奏楽連盟は終わりだと想います。

投稿: 雅哉 | 2013年1月25日 (金) 00時31分

私の住んでいる東北では県大会ではカラーガードが認められていたのに東北大会では認められないという変な規定があります。そして全国では投げなければOKの事。やはりバトンとかは投げた方がカッコいいですがその規定を変える前に支部大会などの規定を統一してほしいものです

投稿: まさ | 2013年2月23日 (土) 01時25分

初めてお便りします。2年前から好意的なコメントを頂き
楽しく拝見させて頂いています。
 また、今回も定期演奏会に足を運んでくださったようで有難うございます。
一体、どんなお仕事をされている方だろうと想像をめぐらせていますが中々の博識にこちらも勉強させて頂いています。とくに私もミュージカルが好きな方なのですが雅哉さんの「エリザベート」についての楽しいコメントに感化され昨年暮、梅劇のコンサートに足を運ぶことができました。
定演での「エリザベート」の感想をお聞かせ頂くのを楽しみにしていたのですが、どうやら最近はアマチュアの演奏会のコメントはご事情により控えられたのかな?と推察しています。
生徒や保護者・OBも含め教育的配慮という概念には様々な意見がありますが、心から感動できる音楽・文化に触れ、それを目指して生徒たちと活動できればと願っています。今後ともご声援アドバイスを頂ければ嬉しく思います。大阪桐蔭 梅田

投稿: toin umeda | 2013年2月27日 (水) 18時13分

まさか梅田先生から直々にコメントを頂けるなんてびっくりしました!恐縮です。

今年の定期演奏会はちゃんと聴かせて頂いたのですが、アカデミー賞授賞式など急いで書かなければならない記事があり、後回しになっておりました。申し訳ありません。本日up致しましたのでご覧下さい。

御存知の通り僕はミュージカルが大好きなので、今年の「エリザベート」「レ・ミゼラブル」「アラジン」を堪能させて頂きました。いずれもアレンジが素晴らしく、さすが梅田先生の選択眼だと感服致しました。

本当は嘗て埼玉栄が吹奏楽コンクールで「ミス・サイゴン」を演奏し一世風靡したように、大阪桐蔭が「エリザベート」で一大センセーションを巻き起こしてくれたら嬉しいなという夢を持っていたのですが、ちょっと難易度の点でコンクール自由曲には相応しくないのかな?と聴いておりました。

いずれにせよ、今年も引き続き快進撃を期待しております。

投稿: 雅哉 | 2013年2月27日 (水) 21時19分

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