映画「天地明察」
評価:B
「おくりびと」で米アカデミー外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎 監督作品。主演は岡田准一と、宮崎あおい。映画公式サイトはこちら。
本屋大賞1位になった冲方丁の原作は読んだが、正直面白くなかった。しかし映画の方は、小説ではイメージしにくい天体観測の場面が具象化され、分かり易かった。
では映画として素晴らしいか?と問われたら首を傾げざるを得ない。大傑作「おくりびと」(筆者の評価はA+)には遠く及ばず、佳作の域を出ない。
出演者たちは各々好演しているが、特に印象を残す者はいない。淡々とした作品である。
僕は滝田監督の「壬生義士伝」(浅田次郎 原作)を救いようのない駄作と考えているのだが、どうもこの人は時代劇が得意じゃないのではなかろうか?「コミック雑誌なんかいらない!」「木村家の人びと」「僕らはみんな生きている」「おくりびと」など滝田監督の代表作は全て現代劇であり、コメディ・タッチが多い。「天地明察」の主人公たちが影の軍団みたいな忍者集団(?)に襲撃される場面は「これは一体、何?」と疑問符が頭の周囲を回った。
「天地明察」で唯一気を吐いたのは久石譲さんの音楽。こちらは文句なし。つまり映画をわざわざ観なくても、サントラCDを購入すれば十分と言えるかも知れない。
| 固定リンク | 0
「Cinema Paradiso」カテゴリの記事
- ゴジラ-1.0(2023.11.17)
- 【考察】なぜ「君たちはどう生きるか」は評価が真っ二つなのか?/ユング心理学で宮﨑駿のこころの深層を読み解く(2023.07.28)
コメント