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映画「エイリアン」の前日譚、「プロメテウス」(3D上映)

評価:A

Prometheus

映画「エイリアン」が公開されたのが1979年。なんとその33年後に同じリドリー・スコット監督で前日譚が製作されるなんて、夢にも想っていなかった。

本作を面白いと思えるかどうかは、「エイリアン」(第1作目)をちゃんと観ていて、好きかどうか次第である。「エイリアン」が映画史に燦然と輝く傑作だということが理解できない人たちには、「プロメテウス」も無縁の存在だろう。

「エイリアン」の原案・脚本を執筆したダン・オバノンも、音楽を担当したジェリー・ゴールドスミスも既に亡くなった。本作でピーター・ウェイランド社長がホログラム映像で登場する場面にジェリー・ゴールドスミスが作曲した「エイリアン」のテーマが流れたのにはびっくりした。そして嬉しかった。実はゴールドスミスが「エイリアン」のエンド・クレジット用に書いた音楽は最終的に(編集のテリー・ローリングスがリドリー・スコットに推薦した)ハワード・ハンソン/交響曲第2番「ロマンティック」第1楽章に差し替えられてしまったのだ。だからスコット監督はゴールドスミスの曲が気に入っていなかったのかと思っていた。

ちなみに「エイリアン」ではウェイランド・ユタニ(湯谷)社になっているので、本作で描かれた事件以降、ウェイランド・コーポレーションは日系企業と合併したことが分かる。

近年スコット監督とコンビを組むマルク・ストライテンフェルトが新たに作曲した音楽も良かった。

「プロメテウス」のプロットは周到に「エイリアン」を踏襲している。宇宙船の乗組員の中にアンドロイドがいたら要注意という法則もそうだし、本作の主人公”エリザベス・ショウ”はリプリー並みにタフな女だ。シガニー・ウィーバーに対抗すべく、スウェーデンの大女優ノオミ・ラパス(「ミレニアム」3部作でリスベット・サランデルを演じた)がキャスティングされた。強烈な個性である。

「エイリアン」で謎のままだった宇宙船やスペースジョッキー(化石化した宇宙人)の正体が漸くいま、明らかになる。

リドリー・スコットの前身はグラフィック・デザイナー/セット・デザイナーである。僕は彼の創り出すスタイリッシュな映像が大好きなのだが、今回初めて取り組んだ3Dは非常に奥行きがあり、素晴らしかった。

未だ回収されていない伏線(謎)も残っており、製作が決定している「プロメテウス2」にも期待したい。

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コメント

久しぶりです。
俺がこの映画見たときの感想は「いくらなんでも説明しなさすぎだろ!でしたね。まぁ全部説明しようとしたら何時間かかるかわからないから、今作では2時間程のショッキングホラーにしたんでしょうか。まぁ元々エイリアンってホラー色の強いものでしたし。
ついでにこの手のジャンルで好きな映画はジョン・カーペンターの「遊星からの物体X」です。とにかく最後まで誰が生き残るかわからないから目がはなせないし、最後の心穏やかじゃない雰囲気もいいですね。未見でしたらおすすめです、傑作ですから。
最後になってしまいましたが弟のトニー・スコットの訃報を聞いたときは信じられない気持ちでいっぱいでした。今でも信じられないくらいです。

投稿: S | 2012年9月11日 (火) 20時20分

Sさんコメントありがとうございます。そういえば「キック・アス」観ましたよ、すごく面白かったです。クロエ・グレース・モレッツちゃんもおしゃまで可愛いし。

トニー・スコットの自殺は衝撃的でしたね。僕が一番好きな彼の作品は「クリムゾン・タイド」です。「エネミー・オブ・アメリカ」も良いですね。ただ遺作「アンストッパブル」は些か凡庸なアクション映画でしたが。

投稿: 雅哉 | 2012年9月12日 (水) 00時18分

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