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大植英次プロデュース「大阪クラシック 2012」/前売早期完売、近藤浩志-渾身のピアソラ!

大阪フィルハーモニー交響楽団の桂冠指揮者・大植英次プロデュース「大阪クラシック」も今年で7年目。

9/4(火)、第37公演@大阪ガスビル フラムテラス。ギュウギュウの満員で入場制限がかかった。

ヴァイオリン:石塚海斗、浅井ゆきこ ヴィオラ:小野眞優美 チェロ:織田啓嗣 で、

  • ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」
  • ハイドン/弦楽四重奏曲 第17番 第2楽章 セレナーデ(アンコール)

ドヴォルザークは一般に「国民学派」と呼ばれているが、この人の特徴は民謡の旋律をそのまま用いないところにあると僕は日ごろ感じている。例えばスメタナの「我が祖国」にはフス教徒の賛美歌「汝ら神の戦士」が引用されているが、ドヴォルザーク/交響曲 第9番「新世界より」やこの「アメリカ」にはアメリカのフォーク・ソングや黒人霊歌を彷彿とさせる旋律はあるものの、原曲を特定することは困難である。

今回、生演奏で「アメリカ」を聴きながら気が付いたのは、第2楽章が揺りかごを連想させるという事である。つまり子守唄なのだろう。そういう意味においてこの楽章は黒人しか出てこないガーシュウィンのオペラ「ポーギーとベス」”サマータイム”に明らかに繋がっている。

「期待の新人」石塚海斗さんはこの日、別の会場でピアノ伴奏によるブラームス/ヴァイオリン協奏曲全曲を演奏したとか。アンコールのハイドンではひとり立って演奏。大植さんも会場に現れ、「スター誕生!」と。

Osaka
(アンコールにつき、演奏中の撮影許可が降りた)

続いて第40公演@ザ・フェニックスホール。

チェロ:近藤浩志、ピアノ:永野沙織 で、「アストル・ピアソラ没後20年リサイタル」。

  • リベル・タンゴ
  • オブリビオン(忘却)
  • ル・グラン・タンゴ
  • タンティ・アンニ・プリマ(アンコール)

オブリビオン」と「タンティ・アンニ・プリマ(むかしむかし)」は「エンリコIV(ヘンリー4世)」のために書かれた映画音楽で、「タンティ・アンニ・プリマ」は遡って過去に作曲された「アヴェ・マリア」を流用したもの。

ここにも大植さんが登場。「携帯の電源はオフに」というプラカードを持ってステージ前に立ち、会場から笑いがこぼれる。何とこの公演は発売直後、一番最初にチケットが売り切れたそう。「他は《好評発売中》になっているのに、悔しい」と大植さん。

ピアソラを愛し、「僕の前世はブエノスアイレスに暮らしていたんじゃないか」と豪語する近藤さん。「リベル・タンゴ」から火傷しそうなくらい熱い演奏を展開した。切れ味抜群で、同時に豊かに歌う。

オブリビオン」はむせび泣く。声なき慟哭。ちなみに原曲は歌である。

そしてロストロボーヴィチのために作曲された雄弁な「ル・グラン・タンゴ」はチェロという楽器、匣(はこ)の性能を最大限に引き出した快刀乱麻のパフォーマンスだった。

一転して「タンティ・アンニ・プリマ」は静謐な祈りの音楽。

僕はヨーヨー・マが弾いたピアソラのCDを所有しているが、はっきり言って近藤さんの方が断然良かった。読者の皆さんなら、僕がお世辞を言わない人間だということはよくご存知ですよね?

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コメント

当店で近藤様のコンサートの際ピアソラの曲を何度か弾いていただきました。
本当に最高ですよネ

貴方の言われるように私たちも、一番上手だと思っています!

投稿: tosi &mituko | 2012年9月 9日 (日) 15時51分

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