延原武春/大フィル「ウィーン古典派シリーズ」(6/29)
6月29日いずみホールへ。
延原武春/大阪フィルハーモニー交響楽団で、
- ハイドン/交響曲 第104番「ロンドン」
- モーツァルト/オーボエ協奏曲(オーボエ:浅川和宏)
- ベートーヴェン/交響曲 第2番
対向配置。ハイドンとベートーヴェンの編成は弦5部(1st.Vn.-2nd.Vn.-Va-Vc-Cb)が10-10-8-6-4。
3年間に及ぶこのプロジェクトも今回は7回目。僕は一度も逃さず聴いている。
当初、大フィルの楽員は古楽的アーティキュレーションなどピリオド・アプローチに不慣れで、ノン・ヴィブラート奏法が出来ている人もいれば、癖で無意識のうちにヴィブラートをかけていたりとバラバラ。ぎこちなさが目立った。しかし今では各自がこなれて、奏法を自分のものにしたという確かさがあった。
ハイドンの第1楽章序奏では堂々とゆったりした表現。主部に入ると一転して颯爽としたテンポで快刀乱麻、覇気のある音楽が展開された。第2楽章は凛々しく高貴。第3楽章メヌエットは勢いがあった。トリオ(中間部)では弦5部が各々ソロで五重奏に。第4楽章は疾風怒濤。
モーツァルトには透明感がありのびやかな音楽。その自然な感興が聴いていて心地良い。
そしてエネルギッシュで弾む、痛快なベートーヴェンへ!ピリオド・アプローチの分野においても大フィルは小回りがきいて機動力のあるオーケストラに成長した。頼もしい限りである。
このシリーズ、毎回アンコールはJ.S.バッハ/管弦楽組曲第3番よりアリアだが、回を追うごとにテンポが速くなり古楽奏法へと移行していっているのが面白い。
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