桂文我 vs. 笑福亭/玉造・猫間川寄席
6月20日玉造さんすくホールへ。
- 森乃石松/崇禅寺馬場(そうぜんじばば)
- 笑福亭たま/山寺瓢吉(福笑 作)
- 桂文我/鎮守の森(ちんじゅのもり)
- 笑福亭竹林/殿集め
- 桂文我/鯉津栄之助
「山寺瓢吉」を福笑師匠が創作した時は30分くらいの作品だったが、たまさんが工夫しているうちに10分になったと。また、たま版「百年目」はなんと25分!マクラでショート落語「落語会のマナー」を二連発で披露。これは爆笑だった。
「鎮守の森」は他に誰も演じる人のないネタで、文我さんが速記本から起こしたそう。
最近禁煙した竹林さん。1週間くらいで声の調子が良くなった。しかし、「パワーが落ちる(声が衰える)と掴むテクニック」というものがあり、逆になんだか違和感があると。「僕のピークは2年前の島之内寄席『みかん屋』、京都市民寄席『仏師屋盗人』、そしてここ猫間川寄席の『死神』でした」
また、今回の演目で犯罪に関するものが続いたことについて、こんな想い出を語られた。昭和56(1981)年4月10日のもとまち寄席 恋雅亭。「道具屋」(市染=後の染語楼)と「鉄砲勇助」(朝丸=現・ざこば)が高座に掛かり、故・笑福亭松鶴は「ネタがついとるやないか」と楽屋でぼやいていた。”ネタがつく”とは同じ題材を扱った噺をすることで、これは寄席で禁忌とされており、どちらも「ションベン」が出てくるのである。そしてトリの順番が来た。演ったのは「有馬小便」。高座から降りてきた松鶴は竹林さんに「3つになったらシリーズや」と言ったそう。けだし名言。面白い!
「殿集め」は滅多に聴けないネタだが秀逸だった。噺の中に「よこね」とか「そこひ」といった聞き慣れない言葉が出てきたので帰宅後調べてみた。「横根(よこね)」とは両足の付け根のリンパ節が炎症を起こして腫れたもの。梅毒の初期硬結。「底翳(そこひ)」とは視力障害をきたす眼疾患のことを指し、「あおそこひ」が緑内障で「しろそこひ」が白内障のことらしい。
「鯉津栄之助」は”東の旅”シリーズのひとつで、阿呆陀羅経とか義太夫(ぎだいゆう)とか芸事が色々出てくる。林家笑丸さんで聴いたことはあったが、オリジナルの型は初体験だった(笑丸さんは得意の紙切りや舞踏「後ろ面」をされる)。
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