ヴェッツという作曲家を知っていますか?~児玉宏/大阪交響楽団 定期
5月28日(月)ザ・シンフォニーホールへ。
児玉宏/大阪交響楽団の定期演奏会、「二人のリヒャルト」と題されている。
- リヒャルト・シュトラウス/組曲「町人貴族」(ピアノ:石井克典)
- リヒャルト・ヴェッツ/交響曲 第2番
音の魔術師R.シュトラウスは小気味よい室内楽的響き。軽やかな身のこなしでウィットに富む。典雅で、暖色系の豊かな色彩感。いたずらっ子の微笑みのような演奏だった。
ヴェッツはR.シュトラウスより11歳年下。ライプツィヒで学び、ワイマール音楽大学作曲科の田舎教授として無名のままその生涯を閉じた。ブルックナーに傾倒しており、「アントン・ブルックナー」という本も執筆したという。
交響曲第2番が完成したのは第一次世界大戦が終結し、敗れたドイツが疲弊し切った1919年。既にマーラーは他界し、1913年にパリでストラヴィンスキーの「春の祭典」が初演され大騒動となり、ウィーンではシェーンベルクが12音技法を完成しつつあった時期である。
かなりブルックナーの影響が色濃い作品で、時代錯誤と批判されても仕方がない正真正銘、古色蒼然たる調性音楽。ただブルックナーとの相違は、宗教色が薄い(オルガンの響きがしない)こと。第1楽章は美しくロマンティック。〔大変穏やかに、内なる想いをこめて〕と楽譜に指定された第2主題はとどかぬ憧れを感じさせた。
第2楽章は悲しみの歌。戦場における累々たる死者たちへの追悼の表れであろうか?
第3楽章フィナーレ〔活発に〕は何かに駆り立てられるように加速し、張り詰めた緊迫感と共にどんどん高揚する。そして壮大なクライマックスへ!そもそも児玉さんは卓越したブルックナー指揮者。悪かろう筈がない。滅多に聴けない珍曲の魅力を最大限に引き出した名演に僕は快哉を叫んだ。
当演奏はライヴ・レコーディングされ、CDが発売される予定。必聴。
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