春團治、三枝、福笑/なにわ芸術祭 上方落語名人会
5月15日(火)、サンケイホールブリーゼへ。
- 桂 吉坊/商売根問
- 林家染弥/青菜
- 笑福亭福笑/神通力(福笑 作)
- 桂春団治/皿屋敷
- 露の団六/鳥屋坊主
- 桂 三枝/赤とんぼ(三枝 作)
「商売根問」の前半部は「鷺とり」と共通。前座で聴く機会が多いのだが、三つ葉を売るエピソードは今回初めて聴いた。へー、こんなのがあったんだ!
染弥さん、最近ちょっと太った?彼は(染丸師匠と違って)女性を演じるのが不得手。
福笑さんの新作は過激で爆笑!民主党のマニフェストを「嘘つき」呼ばわりするのには胸がスカッとした。全く同感。「魔法使いサリー」や「アルプスの少女ハイジ」を歌う場面も愉しい。
今回一番のお目当ては「皿屋敷」。春団治さんの「代書屋」や「祝いのし」はそれぞれ五回ずつくらい聴いたのだけど、このネタに当たったことはなかった。時折見せる笑顔が可愛らしく、指先まで神経が行き届いた所作が美しい。またお菊さんが井戸から立ち上って来る場面は幽玄な世界を醸し出していた。他の噺家が演じる時ほど立ち上がらない(上下の動きが少ない)のも新鮮だった。これぞ至芸。絶品。
三枝さんの芸は柔らかい。「赤とんぼ」は童謡・唱歌をテーマにした創作落語。「どんぐりころころ」についての会話で”どじょう内閣”も登場。時事ネタの取り込み方がさすが。実はこの唱歌の歌詞は2番までしかなかったが、別人が3番を作ったという事実は初めて知った。三枝さんはさらに4番を作り、この歌をエンドレス(円環運動)に。その発想が愉快だ。笑いながらも、日本語の美しさを再認識させられた。
最後に、下座(お囃子)で笛を担当した笑福亭喬若さんが澄んだ音でむっちゃ上手かったことを付記しておく。彼の落語を面白いと思ったことは一度もないが、笛は文句なしに名人だ。
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