ヘルプ ~心がつなぐストーリー~
評価:B+
映画公式サイトはこちら。原題はシンプルに"The Help"
ジョン・F・ケネディやマーティン・ルーサー・キング牧師が活躍していた1960年代。アメリカ南部ミシシッピ州を舞台に、当時未だ根強く残っていた黒人差別問題をえぐり出す。
全米映画俳優組合(SAG)賞ではヴィオラ・デイヴィスが主演女優賞、オクタヴィア・スペンサーが助演女優賞(アカデミー賞も)、そしてアンサンブル・キャスト賞を同時に受賞した。
脚本・監督テイト・テイラー(白人男性)は原作者キャスリン・ストケットと幼馴染だそうだ。白人女性の目から見た黒人問題なので、この手法に異議を唱える人たちも多い。詳しくはこちら→「The Help」への批判
まぁその気持ちも分からないではないが、本作は秀逸な「女性映画」であると僕は太鼓判を押したい。群集劇としてそれぞれの役者が素晴らしい。黒人だけではなく白人女性も生き生きと(ある人物は物凄く憎たらしく)描かれている。これだけ出来の良い(well made)作品にお目にかかれることは滅多にない。
最近パッとしないスパイク・リー(ドゥ・ザ・ライト・シング、マルコムX)など黒人監督たちにも奮起してもらいたいものだ。
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