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大人計画「ウェルカム・ニッポン」

松尾スズキ作・演出のミュージカル「キレイ」はビデオで観た。また松尾スズキ版ミュージカル「キャバレー」映画「クワイエットルームにようこそ」は劇場や映画館で観ている。しかし、劇団「大人計画」は今回が初体験だった。

シアター・ドラマシティ(大阪公演)へ。松尾スズキ 作・演出の「ウェルカム・ニッポン」を観劇。客席は女性率高し!大体8~9割くらい。公式サイトはこちら

Nippon

阿部サダオ宮藤官九郎(クドカン)、荒川良々平岩紙松尾スズキ(出演兼務)ら人気者が集結。

開演前、星野源による「諸注意の歌」には爆笑。全篇がセミ・ミュージカル仕立てになっていて愉しい。

ヒロイン:エイドリアン役のアナンダ・ジェイコブズは歌手で女優。ロサンゼルスに生まれ、2006年から活動の拠点を東京に移しているそう。彼女もギターを弾きながら沢山歌った。

エイドリアンは17歳の時9・11ニューヨーク同時多発テロ(2001)で日本人青年・牛頭(ごず)と出会い、それから10年経た2011年に彼を慕って来日するが、牛頭は3・11東日本大震災で東北にボランティアに行くと言い残して消息不明になっていた。

クドカン演じる個人タクシーの運転手が登場する場面ではバーナード・ハーマンが作曲した映画「タクシー・ドライバー」の物憂げなサックスのメロディが流れる。そして最後にクドカンが「タクシー・ドライバー」のデ・ニーロに憧れてこの商売を始めたと告白する。

TBS「高校教師」(1993)のパロディあり、森田童子の歌も流れる。ちなみに松尾さんはこのドラマにチョイ役(駅員)で出演しているらしい。松尾演出の舞台「欲望という名の電車」でも「ぼくたちの失敗」が使われているそうだ。好きなんだなぁ。

またビートたけし、立川談志、岡本太郎、「新世紀エヴァンゲリオン」の碇ゲンドウらの物真似も。さらに北朝鮮のあの女性アナウンサー、ジャングルのゲリラや酋長、時空を超えてヒトラーやゲッペルスまで登場!?ごった煮、カオス、何でもあり。アナーキー。破壊力抜群でワクワクする。

震災とそれに続く福島原発事故で落ち込んで鬱々と生活している現在の日本人を、猥雑で正体不明な笑いと歌の活力で元気にさせてくれる。そんな芝居であった。

まるでドストエフスキーの小説に出てきそうな過剰な女子高生(平岩紙)がキレて叫ぶ、「戦争も放射能も経験せずにヌクヌクと生きていた世代」への罵倒がグッと胸に来た。「うっすら生きる」という台詞も印象的。希望はなくても、みっともなくても、生きていればなんとかなるさ。そんな気持ち(positive thinking)にさせてくれた。パワフルで面白かった!

余談だが松尾スズキって苗字と苗字が並んだみたいな不思議な名前だ。調べてみるとやはり芸名で、本名は松尾勝幸(かつゆき)なんだって。じゃぁケラリーノ・サンドロヴィッチは本名なんだろうか?(←勿論、冗談です)ちなみにケラさんは「ウェルカム・ニッポン」後半のナレーションを担当している(前半は萬田久子!)。

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