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2012年4月10日 (火)

カンヌ国際映画祭 監督賞受賞「ドライヴ」

評価:A

Drive

アメリカ映画であるが、ニコラス・ウィンディング・レフン監督はデンマーク出身。映像に独特の匂いがある。公式サイトはこちら

スタイリッシュでクール。この新鮮な驚きは、例えばマーティン・スコセッシの「タクシー・ドライバー」やジョン・ウーの「男たちの挽歌」、あるいはクエンティン・タランティーノの「レザボア・ドッグス」やウォシャウスキー兄弟の「バウンド」を初めて観た時の衝撃に匹敵する。同じ題材のクライム・ムーヴィー(カーチェイスあり)であるサム・ペキンパー監督「ゲッタウェイ」と比較することも可能だろう。

ただ前述した傑作群と本作には決定的相違がある。それは音楽の使い方のセンスのよさだ。「ドライヴ」で選択される音楽と、それが流れるシーンとには微妙な違和感がある。しかしそのズレが化学反応を引き起こし、映画が発火するのである。お見事!としか言いようがない。

主演はライアン・ゴズリングキャリー・マリガンはアカデミー主演女優賞にノミネートされた(英アカデミー賞は受賞)「17歳の肖像」(2009)で16歳から17歳になろうとする少女を演じたわけだが、それからたった2年後に撮影された本作では子供のいる頼りない人妻役を見事に演じている(現在彼女の年齢は26歳)。主体性はないけれど、男の人生を狂わす女=ファム・ファタール。実に魅惑的だ。このキャラクター設定はスコット・フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャツビー」のヒロイン、デイジーを彷彿とさせる。そういえば彼女は現在、バズ・ラーマン監督レオナルド・ディカプリオ主演の映画「グレート・ギャツビー」を撮影中だった(勿論デイジー役)。また悪役でロン・パールマン(「ヘルボーイ」)が圧倒的存在感を見せ付けた。

必見。今すぐ映画館に駆けつけろ!そして時代の証言者になれ。

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