2012年も柳家喬太郎 三昧@大阪
2月4日(土)柳亭市馬・柳家喬太郎二人会@トリイホール
- 桂鯛蔵/代脈
- 柳亭市馬/普段の袴
- 柳家喬太郎/任侠流山動物園(三遊亭白鳥 作)
- 柳家喬太郎/寿限無
- 柳亭市馬/うどんや
市馬さんの高座は正攻法で意外性はなく、ぶっちゃけ面白みに欠けるのだが、この人の魅力はそこから滲み出してくる人柄のよさ、誠実さだと想う。凛とした佇まいも素敵だ。「うどんや」は上方の「かぜうどん」を江戸に移植したものだが、はっきり言って元ネタの方が断然完成度が高いね。
「任侠流山動物園」は牛、豚、鶏、トラ、パンダ、象が喋る!物語は「清水次郎長伝」のパロディであり、途中、上方落語「動物園」のエッセンスも登場。ハチャメチャでクレイジー、最高に可笑しかった。これは大傑作。また喬太郎さんはフェイスブックやツィッターなどアクチュアル(時事的)な話題も投入。才気迸る。
「寿限無」はオーソドックスな形で始まるのだけれど、それだけで終わらないのが喬太郎の喬太郎たる所以。アッと驚く後日談に舌を巻いた。
翌5日(日)は高槻市にある割烹旅館「亀屋」へ。柳家喬太郎ひとり舞台。
喬太郎さんは女性ファンが多い。この会でも最前列6席中、女性が5人を占めた。
- 松竹梅
- 午後の保健室(喬太郎 作)
- 転宅
結婚式で司会をした時のこと、北海道の倶知安(くっちゃん)町や鹿児島県種子島へ東京から日帰りしたエピソードなどをマクラで披露。また幼稚園で落語を演じたときの子供とお母さんたちの反応の違いなども面白おかしく語られた。
「午後の保健室」は、例えば桂枝雀における「代書」のような、喬太郎さんの鉄板ネタ。当然ながらYou Tubeとかで動画を見てはいたけれど、やはり生の方が断然いい!ミステリー小説で言えば叙述トリックが仕掛けられている、恐るべき名作。大学卒業後は書店員を務めたこともある喬太郎さんの面目躍如。抱腹絶倒、笑い死ぬかと想った。
仲入りを挟み後半。落語で決して客から苦情が出ない「さんぼう」ーすなわち、どろぼう、けちんぼう、つんぼうの話から泥棒噺「転宅」へ。この盗人がなんとも可愛らしいんだ。
結論。判ってはいたことだけれど、柳家喬太郎はやっぱり天才だった。
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