ミュージカル CHESS in Concert (オマケ付き)
2月10日(金)梅田芸術劇場へ。
ミュージカル"CHESS"はABBAのメンバーだったベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァースがグループの活動休止後に作曲 、原案・作詞は「ライオンキング」のティム・ライスが担当した。
まず1984年にコンセプト・アルバムがリリースされ、1986年イギリスのウエストエンドで初演され3年間のロングラン上演となった。この経過はやはりティム・ライスがロイド=ウェバーと組んだ「ジーザス・クライスト・スーパースター」(1971)や「エビータ」(1978)の手法に似ている。ブロードウェイ上演は2ヶ月という短命に終わり、今回が日本初演。演出・訳詩は元・宝塚歌劇団の荻田浩一。
ティム・ライスのプロフィールには必ずこのミュージカルが言及されるので、名前だけは知っていた。でも世界チェス選手権の話だとか、東西冷戦を背景にしているとかといった予備知識は全くないまま観劇。
とにかく音楽が充実しているので驚いた。印象に残るナンバーが多数あり。ロック・ミュージカルとして有名なのは「ヘアー」「ジーザス・クライスト・スーパースター」「トミー」「ロッキー・ホラー・ショー」などあるが、この「チェス」の楽曲も遜色ない。
ただ物語としては弱いので、日本で今まで上演されなかったのもむべなるかなという気がした。チェス盤をシンボリックにデザインしたシンプルな舞台装置と衣装を着た役者でコンサート形式の上演だったが、本作にはこのスタイルが相応しいと感じられた。
出演は安蘭けい、石井一孝、浦井健治、中川晃教、AKANE LIVら。歌唱力のある実力派揃いなので聴き応え抜群。クラシカルな歌唱でじっくりと歌い上げる石井さん、それに対してロック魂剥き出しでシャウトする中川くんの鮮やかなコントラストが良かった。日本演劇界のミュージカルの実力は、最早ブロードウェイやウエストエンドに匹敵するレベルに到達しているのではないだろうか?(念のため言っておくが、僕は両者での観劇歴あり)
初日だったのでオープニングナイトスペシャルイベントあり。なんとABBAのヒット曲が2曲歌われた。
まずAKANE LIVで、"Gimme Gimme GImme"(オリジナル・アレンジ)。そして出演者全員で「ダンシング・クイーン」。これは観客も立ち上がり、手拍子を打ちながら一緒に歌った。ミュージカル「マンマ・ミーア!」を想い出したことは言うまでもない。ただし、劇団四季の「マンマ・ミーア!」大阪公演はカラオケ上演だった(生演奏ではなかった)ので、本当に腹が立った!たいがいにせい、と言いたい。
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