« 旭堂南湖話術研究会「南湖だんご」(1/20) | トップページ | DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る(デジタル上映) »

2012年1月31日 (火)

大植英次/大フィルのオックスフォード&英雄

1月27日(金)ザ・シンフォニーホールへ。

Oue

大阪フィルハーモニー交響楽団 1月の定期は当初、90歳の誕生日を迎えたゲルハルト・ボッセが指揮台に立つ予定だった。しかし大腸がんが見つかり、さらに療養中に持病の心臓も悪くなったため無念の降板。代役を音楽監督・大植英次さんが買って出た。プログラムはオックスフォードとスコットランドと発表されていたが一部変更になった(大植さんはこのメンデルスゾーンのシンフォニーを本番で振ったことがないそうだ)。

  • ハイドン/交響曲 第92番「オックスフォード」
  • ベートーヴェン/交響曲 第3番「英雄」

オックスフォード」の楽器配置は大変ユニーク。これはハイドンがロンドンで演奏旅行したときのものを参考にしたとのこと。具体的には大阪フィルのブログに掲載されたこちらの図面をご参照あれ。弦楽器は完全に左右対称になっている。

ハイドンは歯切れよく、生き生きと弾む演奏。実にリズミカルな快演!

5年前にベートーヴェン・チクルスを振った時は、大植さんの首の持病が最悪の状態で、硬直した鈍重な演奏だった。しかしその後手術をして今は元気一杯。「英雄」第1楽章はしなやかに流れ、推進力を保持。そしてアクセントなど強調する所はしっかり主張し、メリハリがある。一転して第2楽章は重々しく、沈痛。第3楽章は開放感があり爽快。プロメテウス(神)の創造物を讃える第4楽章は力強く調和の美があった。5年前とはまったく別の次元のパフォーマンスであった。

以下余談。大植さんは今回、ボッセ=英雄と見立てたプログラムをされたわけだが、ベートーヴェンが意図した本当の「英雄」とは誰か?を考察するのもなかなか興味深い命題である。巷ではナポレオン・ボナパルトであるという俗説が信じられているが、確証はない。僕は音楽史上、4楽章の交響曲を初めて書いたマンハイム学派の祖ヨハン・シュターミッツのことではないかという仮説を立てている。実はシュターミッツ/交響曲 ニ長調 Op. 3, No. 2の第1楽章 冒頭部と、「英雄」のそれはそっくりなのだ。

さて、読者の皆さんはどうお考えになるだろうか?

| |

« 旭堂南湖話術研究会「南湖だんご」(1/20) | トップページ | DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る(デジタル上映) »

クラシックの悦楽」カテゴリの記事

コメント

去年テレビで知って行こうと思ってたら用事で行けずの星空コンサート。
今年はないんですかねぇ。

投稿: アンナ | 2012年2月 6日 (月) 09時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大植英次/大フィルのオックスフォード&英雄:

« 旭堂南湖話術研究会「南湖だんご」(1/20) | トップページ | DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る(デジタル上映) »