桂小枝、月亭遊方/動楽亭昼席(1/12)
動楽亭へ。客の入りは12人。
- 桂 二乗/正月丁稚
- 桂しん吉/明石飛脚
- 林家花丸/厩火事
- 月亭遊方/寄合酒
- 豊来家板里/太神楽
- 桂 小枝/稽古屋
「正月丁稚」は船場の旦那が験(げん)を担ぐ。昔の大阪商家の雰囲気がよく醸し出された噺。雨が降った折、番頭の「これは縁起がいい。昔から『振る(鶴)は千年、雨(亀)は万年』と申します」がサゲだが、これが分かりにくい。地口落ち(駄洒落)だが、二文字中一字しか合っていない!無理矢理という気がするなぁ。
筋金入りの”鉄ちゃん”であるしん吉さん。米朝・大師匠のお供で地方に行った時、それがたまたま特急「白鳥」のラスト・ランだったというエピソードを披露(グリーン車に乗車)。大阪駅のプラットホームには「撮り鉄」(とりてつ)が沢山群がっており、大師匠を守るのに必死だったと。そして飛脚三題へ。これは明石飛脚、雪隠(せっちん)飛脚、うわばみ飛脚と三つの噺を繋げて一席に仕上げたもの。どうやら米朝さんからの伝来のようで、米平さんも演じられる。「紀州飛脚」(南の旅)というのもあるらしい。
遊方さんのカジュアル古典「寄合酒」に遭遇するは何度目かだが、聴く度にどんどん面白くなっている。特にアホを演じるときの顔芸が最高に可笑しい!ただ、すりこぎの件が滅茶苦茶しつこく、やりすぎ(too much)だなと引いてしまった。
板里さんによると太神楽(だいかぐら)曲芸の演じ手は大阪(=西日本)に七人しかいないそう。また東京の国立劇場には養成所があると→こちら。
小枝さんはこの日が動楽亭初登場だそう。マクラではキダ・タローさんの小ネタをいくつか。ちなみに出囃子「小枝ブルース」はキダさんの作曲(2010年)。3年ほど前に聴いた時は明らかに稽古不足で、何度も言い間違えるし、お粗末な高座だった。しかし2010年から落語で全国を廻るようになり、最近の小枝さんには「本気」を感じる。師匠・文枝の芸を受け継ぐという「覚悟」と言い換ええることも可能だろう。とっても口調がいい。心地よさがある。「稽古屋」は「んなあほな!」と言いたくなるような独自のサゲで、意表を突かれた。やられた。これは面白い!
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