第三回 柳家喬太郎独演会@トリイホール
11月23日(祝)大阪・千日前にあるトリイホールへ。
東京で実力・人気ともにNo.1 柳家喬太郎さんの独演会。
プログラム・ノートに喬太郎さんが好きな落語のフレーズ(語句)が掲載されていた。
- 今日はいい休みだったなあ
(「猫の災難」五代目柳家小さん) - みんなこうやって偉くなっていくんだねえ
(「按摩の炬燵」柳家さん喬) - ウンコがお前に何をしてくれたというんだい
(「肥辰一代記」三遊亭円丈)
喬太郎さんらしい(とぼけた)選択。
さて、今回の演目は、
- 桂 佐ん吉/商売根問
- 柳家喬太郎/まんじゅうこわい
- 桃月庵白酒/松曳き
- 柳家喬太郎/文七元結
佐ん吉さんは2001年に入門。同期で東京の噺家・春風亭一之輔さんが2012年春に真打に昇進する話題を振り、即ち寄席でトリを勤めることが出来ると。一方、自分は未だに繁昌亭で前座扱いで「あちら真打、こちら頭打ち」
喬太郎さんは大阪に来るようになった当初は上方由来ではなく、江戸固有の噺を高座にかけるよう心がけてきたが、「もうネタがないんです」と。そして大好物のコロッケそばのカップ麺(→こちら)が出たと聞き、コンビニを行脚して捜し求めたエピソードや、東京駅の東海道新幹線18番・19番線ホームの立ち食いそば「グル麺 東京」カツ煮そばの話題を。どんなものか写真はこちら。「不味いけれど癖になる」その状態はさしずめ「前向きのサディズム」と。ネタ「まんじゅうこわい」は上方版との違いが興味深かった。
初めて聴いた白酒さんはテンポよく、飄々としてコミカルな高座。粗忽な登場人物たちが、そこはかとなく可笑しい。
仲入りを挟み、再び喬太郎さん。あるテレビ番組で秋葉原に観光に来た外国人に日本の文化の特徴を尋ねると、「わび(侘)、さび(寂)、もえ(萌)」と答えたという話に場内爆笑。「文七元結」は力を抜き、淡々とした口調。そこには怖いくらいの凄みがあった。喬太郎さんはこの噺で「江戸っ子」であるということにに力点を置く。それは「粋だね!」「気風がいいね!」と同義。面白いアプローチだなと、感心することしきりであった。
なお、この昼の部公演中に立川談志さんの訃報が報じられたが、我々には知る由もなかった。夜の部では勿論、喬太郎さんがその事に触れられたそうである。
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