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2011年11月24日 (木)

第24回全日本マーチングコンテスト(高校以上の部)2011 後編

この記事は第24回全日本マーチングコンテスト(高校以上の部)2011 前編と併せてお読み下さい。

K1

まずこのコンテストの審査に関する問題提起を行っておこう。それは審査員全員が楽器のプロ、音楽家であるという点だ。つまりマーチングのプロがいない。だからあくまで「音」重視であり、行進のフォーメーションのなどは余り考慮されてない印象を受ける。

東京農業大学第二高等学校吹奏楽部(西関東代表)のパフォーマンスはカラーガード隊が16人もいて、まるで蝶の舞いのように美しかった!しかしそれは全く審査に反映されないので、銀賞という 残念な結果に終わった。ちなみにここが演奏したのはマーチング・ブラームスという曲で、なんと交響曲第1番の第1,2,4楽章が使用されていた。この発想が新しく、面白かった。

さて、関西以外の金賞団体の感想を書いていこう。

K2

東関東代表

船橋市立船橋高等学校 曲はローマの祭~教会のステンドグラス~シバの女王ベルキス~鳥~リュートのための古風な舞曲とアリア(以上レスピーギ)。アリアでは歌あり。きびきびとして動きが速く、全体のフォーメーションが整っていた。

柏市立柏高等学校 サーカス・ビー~セント・アンソニー・ヴァリエーション(ヒル)。ピカピカに磨き上げられたシンバルが強い印象を与え、それが万華鏡のような模様を描く。ドラムメジャー(鼓手長)のメジャーバトンはどこよりも高く、高く上がっていく。演奏は繊細緻密で、pp(最弱音)からff(最強音)までのダイナミックスの幅が広い。ものすごい音圧!!

東海代表

愛知工業大学名電高等学校 天と大地からの恵み(八木澤教司)~星の王子様(樽屋雅徳)~アメリカングラフティXX(M . ジャクソン)~今夜はビートイット(M . ジャクソン/久石 譲)。久石さんの吹奏楽アレンジには驚いた!考えてみれば”久石 譲”というペンネームの由来はクインシー・ジョーンズ(「今夜はビートイット」プロデューサー)のもじりだから、縁があるわけだ。パープルのユニホームが映える。アンサンブルは整い、ビートが効く。隊列も綺麗。「スリラー」のステップが面白い。

安城学園高等学校 セレモニアル・マーチ(坂井貴祐)~アメリカの騎士「選ばれし者」(メリロ)。軟らかいサウンド。アルト・サックスのソロが見事!隊列の変化がユニークで、動きが滑らか。整然としている。

北陸代表

富山県立高岡商業高等学校 バレエ組曲「ガイーヌ」より(ハチャトゥリアン/林 紀人)。よく鳴るが荒いと想った。それから後打ちのリズム(ホルンなど)が揃っていないのが気になった。

九州代表

精華女子高等学校 曲は希望の帆をあげて(福島弘和)。まず人文字で"SEA"を描き、それが錨の模様に変化し回転。ハート型があつて最後は"SEIKA"で〆。腹にズシンと来るサウンド。輝く金管。特に11人のホルン軍団がパワフル。また例年、ここと大阪桐蔭のドラムメジャーは圧巻のパフォーマンスを展開する。目にも止まらぬ速いバトンさばき、華麗な演技。僕の近くに座っていた男性が「感動して、涙が出てくるわ」と喋っていたが、正に同感だった。

玉名女子高等学校 セントルイス・ブルース・マーチ~バンドワゴン(P.スパーク)~ムーンライト・セレナーデ~スウィング・スウィング・スウィングという構成(昨年と同じ)。ここはガンガン鳴らし、気持ちがいい。スピードとスウィング感も抜群。

あと、銀賞でどうしても触れておきたい団体をいくつか。

東関東代表

習志野市立習志野高等学校 プロポーズ大作戦〜ガッチャマンの歌〜宇宙戦艦ヤマト〜あしたのジョー〜タイガーマスク。とにかく人数が多い!ドラムメジャーは最初、ピエロの格好で登場。一糸乱れぬアンサンブル、勢いのよさ。人文字で”ヤマト”を描く場面あり。「立て!立つんだ、ジョー!」の台詞が飛び出し、リングでの格闘も展開された。エンターテイメントとして秀逸で、見ていてすごく愉しかった!ここは金賞こそ相応しかったんじゃないかな?またクラリネットの生徒が車椅子で(もうひとりに押されて)行進していたのが印象に残った。

中国代表

岡山県立岡山東商業高等学校 20世紀フォックス・ファンファーレ(A.ニューマン)〜喜歌劇「小鳥売り」セレクション(ツェラー/鈴木英史)。男子生徒が少なく1割未満?動きが速く、アンサンブルも整っていた。爽やかなパフォーマンスだった。

表彰式の前に箕面自由学園高等学校チアリーダー部"GOLDEN BEARS"のエキシビションプレーもあった。ここはJAPAN CUP 2011 日本チアリーディング選手権大会において優勝。日本一のチームである。9月に被災地である岩手県立大船渡高校にバスで14時間かけて行き、演技を行ったそう。Cheer up,Japan ! 彼女たちから元気と明るさをもらった。

K3

全体を通して今年最も優れた演技・演奏を披露してくれたのは柏市立柏高等学校(市柏)と精華女子高等学校であった。

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コメント

こんにちは 静岡の西村です。

後編 記事アップありがとうございました。
楽しみにしておりました。

>あくまで「音」重視であり、行進のフォーメーションのなどは
余り考慮されてない印象を受ける。

そうなんですか・・・
これは 毎年の事なんでしょうか?
それとも
今年に限って・・・という事なのでしょうか?

合わせて・・・
素人で よくわからないのですが

〝一般社団法人 日本マーチングバンド・バトントワーリング協会〟

こちらの協会が行っている大会と、今回の大会との違いは
その辺も 絡んでくるのでしょうか・・・?

ここ静岡県では
同じ様な 大会なのに、A高校は こっち。B高校は そっち。
という参加の仕方。

音 重視の大会と
行進のフォーメーション 重視の大会
みたいな感じなのでしょうか?
なんでなのかなぁと思っていましたが・・・

さてさて
大阪城ホールの様子が 行かなくても とてもよくわかる
この記事・・・嬉しいです♪

今回 行けなかっただけに
来年は 絶対!!と、心に決めました!!

というか 我が娘 来年高校2年生。
まだまだ チャレンジできる年齢!

来年は このブログで 感想を書いて頂けるよう
全国大会目指して がんばってもらいたい と思います。

まずは 東海大会。
愛知県勢の壁を超えるべく 日々努力してもらう事と
します。

わかりやすい感想 ありがとうございました。
長文 失礼致しました。


愛知工業大学名電高等学校
安城学園高等学校

投稿: にしむら | 2011年11月26日 (土) 17時05分

にしむらさん、コメントありがとうございます。

ご推察の通りですね。全日本マーチングコンテストはマーチングバンド・バトントワーリング全国大会より後発であり、差別化を図るため、アンチテーゼとして音重視という姿勢を打ち出しています。マーチングバンド・バトントワーリング大会の方が見た目重視であり、余り演奏が上手とは言えない団体でも金賞を受賞しています。だからある意味住み分けが出来ており、学校側も自分たちの特徴を活かせる方に参加しているように見受けられます。

投稿: 雅哉 | 2011年11月27日 (日) 01時24分

こんにちは。
私は関西に住んでいてこの全国大会を見に行きました。
私が聞いた印象でも精華と市柏が一番上手かったのですが、
その次くらいに習志野も上手いと感じたので銀賞に納得できませんでした。
エンターテイメントしてるだけでなく、整っていてちゃんと音楽してる!て思いました。
今年の橘のシング・シング・シングもわくわくするような編曲で金を獲った時に劣らないと思うし・・・
箕面自由の金にも納得できなくて、自分の耳がおかしくなったかと思いました。
でも、雅哉さんも同じように感じていると知って少し安心しました。

あと吹連の音重視の姿勢はわかるのですが、いくらなんでも審査員にマーチングのプロが0だと、生徒は必死の練習がむなしくなると思うのですが、雅哉さんはどう思いますか?

投稿: ものぴ | 2011年11月30日 (水) 12時29分

ものぴさん、コメントありがとうございます!箕面自由の金と習志野&京都橘の銀に納得いかないというのは僕も全く同意見です。

来年からは審査員にマーチングのプロを入れて、隊列やカラーガードの美しさに対してもっと加点してもらいたいものです。そうでないと生徒さんたちが可哀想です。

投稿: 雅哉 | 2011年11月30日 (水) 21時41分

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