京の茶漬け&「フェルメールからのラブレター展」「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」@京都市美術館
京都へ!
お昼に京都御所近く、丸太町の「十二段家」で京の茶漬けをいただく。
ここはご飯がすごく美味しいので、一膳目はお茶をかけずそのままで。また出し巻きが、おだしが効いていて絶品。
季節の一品は鱧(はも)と秋の京野菜。
そして京都市美術館へ。
「フェルメールからのラブレター展」は10月16日まで開催中。世界に三十数点しか存在しないフェルメールの絵画が三点も集まったというのは画期的ではないだろうか?手紙を読む女、そして手紙を書く女たち。窓から差し込む光、それが作り出す影とのハーモニー。そしてラピスラズリを原料とする”フェルメール・ブルー”の美しさが印象深い。
またデ・ホーホの「中庭にいる女と子供」
そして「室内の(配膳室にいる)女と子供」
二枚の絵の遠近感が素晴らしかった。開放されたドアや窓から見える風景が効果的。
フェルメール展は入場待ちが40分かかったが、「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」は待ち時間なし。こちらは11月27日まで。フェルメール展の半券提示で入場料100円引きだった。
ゴッホの自画像がこの展示の”売り”だが、僕はむしろモネの二点が良かった。
まず「ヴェトゥイユの画家の庭」
三人の人物の配置が見事。燦燦と降り注ぐ陽光、鮮やかな色彩感。この絵を観ながら心の中でディーリアスの音詩(tone poem)、例えば「夏の庭園にて」とか「夏の歌」が流れるのを感じた。考えてみればディーリアスは晩年をパリ郊外にある田舎町グレ・シュル・ロアンで過ごした。両者に共通するものがあるのは決して偶然ではあるまい。
そして僕が最も心奪われたのは「日傘の女性、モネ夫人と息子(日傘をさす女)」何度も何度もこの絵に戻ってきて、見入ってしまった。
モデルは妻のカミーユと息子のジャン。被写体が逆光というのが斬新だし、ヴェールに覆われたカミーユの表情が魅惑的。また実際の絵を観て初めて気付いたのだが、彼女の上半身と下半身で吹いている風向きが逆なのである。
この絵が描かれたのは1875年。その4年後にカミーユは32歳の若さで亡くなった。そして歳月が経ち1886年にモネは再び、同じ題材の作品に取り組んだ。それが下の二点である。
顔に注目。この時の画家の心境や如何に、と僕は想いを馳せるのである。
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