三枝・染丸・鶴笑・文三/東日本復興を祈る特別公演「ささえよう日本」
8月30日(火)、繁昌亭へ。
被災地の修学旅行生を招待する落語会で、一般客は35人限定だった(2階席サイドのみ)。
- 林家染丸・染左・愛染・はやしや絹代/お囃子紹介・落語教室
- 桂文三/動物園
- 林家染丸・染左・愛染/人形噺〜踊り「富士の裾野」
- 笑福亭鶴笑/パペット落語「立体西遊記」
- ナオユキ/漫談
- 桂三枝/宿題(三枝 作)
いわき市立植田中学校は震災でグラウンドが地割れし、体育館は損壊して使えない。福島第一原発から約60キロ、放射線量を心配しながらの学校生活が続いている。 震災で4月から延期されていた関西への修学旅行がこの度ようやく実現した。
お囃子紹介では大太鼓と締太鼓、能管と篠笛の違いなど。また春團治師匠の「野崎」や小枝さんの昔の出囃子「ミッキーマウス・マーチ」(昨年からキダ・タロー作曲「小枝ブルース」を使用)などを演奏。
続いて立候補した男子生徒ふたりが高座に上がり、楽屋で浴衣に着替え、一人は染丸師匠の指導で幽霊を演じ、もう片方が太鼓を叩いた。客席が沸く(浴衣はプレゼントされた)。
文三さんの「動物園」には長谷川園長が登場。これは師匠・文枝の本名、長谷川多持(はせがわたもつ)に由来する。太陽のようにカラッと明るい高座。
人形噺は珍芸で、三人で演じる文楽の人形にヒントを得て、染丸師匠の右手、左手をそれぞれ弟子が担当するという趣向。詳しくは→こちら(写真あり)!これはいいものを見せてもらった。子どもたちも愉しんだことだろう。
ナオユキさん(Stand-up comedy)は得意とする酒に酔ったネタを封印し、自分が子どもだった頃の母親との会話、学校の先生とのエピソードなどに絞って。
全体に質の高い会であったが、一番会場の笑いが多く盛り上がったのは鶴笑さんのパペット落語。さすが「国境なき芸能団」としてイラク難民キャンプの子どもたち等を相手に、活躍されているだけのことはある。
終演後、出演者と子どもたちによる記念写真が三枝さんのブログに掲載されている→こちら!
繁昌亭は5年前に開場し、途中から「神聖な高座に素人を上げてはならない」というルールが出来たと聞く。だから今回は特別な配慮だったのだろう。
温かい心配り、そしてプロの矜持を大いに見せてもらった会だった。
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