PARTYが始まるよ/大植英次プロデュース「大阪クラシック」2011初日!
9月4日(日)、早朝から大阪市役所に並び(朝7時半の段階で200人以上いた)入場整理券を確保し、三菱東京UFJ銀行 大阪東銀ビルへ。
「大阪クラシック」は今年で6年目を迎えた。これから一週間、御堂筋を中心に全83公演が開催される。大植さんら出演者たちは皆ノーギャラだそうだ。
午前11時からの第1公演は大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団のメンバーおよび、大阪音楽大学&相愛学園合同オーケストラの演奏(コンサートマスター:長原幸太)で、
- ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」より第1楽章
- スメタナ/交響詩「わが祖国」より“モルダウ”
- ブラームス/大学祝典序曲
- エルガー/威風堂々 第1番(アンコール)
「運命」は提示部の繰り返しあり。
大植さんは4月末に大阪市役所で東日本大震災チャリティー・コンサートを開催。その翌日に被災地・岩手県大槌町を訪ね、避難所で生活を送る2400人の一人一人から話を聞かれたことなどを語られた。
「モルダウ」については「フナが泳ぐ美しい淀川を想像しながら聴いて下さい!」と。ゆったりしたテンポで開始され、次第に速く。踊りの場面で音楽は弾むように。月光の下、川が流れる場面では目の前に幻想的情景が広がった。
rival(ライバル)の語源はriverだという話も(ラテン語の「小川」を意味する rivus の派生語rivalis、つまり 「同じ川を巡って争う人々」という意味)。
平松・大阪市長が登場し、大植さんから恒例のプレゼント。(民主党)ビル・クリントン大統領が共和党候補ボブ・ドールとの討論会で身につけていたというネクタイ。大植さんはこれをヒラリー・クリントンから貰ったそう。「じゃあ私もこれで(橋下知事との)討論会に臨みましょうか」と平松市長。会場から笑いが零れる。
また平松市長は来年以降も「大阪クラシック」を続けたいとの意向を表明。大植さんは3月で大フィルの音楽監督を勇退するが、桂冠指揮者になってからも全面的に協力したいと。後は11月の選挙で決まる新市長次第だな。
「大学祝典序曲」は大植さんが音楽監督就任直後、大阪音楽大学に招聘され、学生たちを初めて指導した想い出の曲だそう。
アンコールは「威風堂々 第1番」。聴衆は起立し、手拍子を打つ。
僕は2006年の第1回「大阪クラシック」から会場に駆けつけているが、その記念すべき第1公演は相愛学園本町講堂で開催された。大植さん指揮/大阪フィルの金管奏者および相愛学園学生オーケストラの演奏で、
- コープランド/市民のためのファンファーレ
- エルガー/威風堂々 第1番
というプログラムだった。
続いて第3公演@相愛学園本町講堂へ。
ヴァイオリン:小林亜希子 ピアノ:藤井快哉で、
- フォーレ/ヴァイオリンソナタ 第1番
- フォーレ/子守唄(アンコール)
フランスの作曲家フォーレの音楽には夢見るような叙情がある。しかしショパンとは違い、甘くない。凛としている。そこには気品、エスプリが感じられる。ドビュッシーもラヴェルも元を辿ればフォーレに行き着くのだなということを再認識した。
余談だが、フォーレとドビュッシーの関係については当時パリ社交界で人気を博したエンマ・バルダックという女性(およびその娘ドリー)をめぐる興味深いエピソードがあるのだが、詳しいことはこちらをご覧あれ。
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