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2011年8月22日 (月)

霧矢大夢 主演/宝塚月組「アルジェの男」「Dance Romanesque」

宝塚大劇場へ。月組を観る。

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「アルジェの男」は柴田侑宏 作、大野拓史 演出。1974年に初演された舞台の再々演である。

「エリザベート」や「スカーレット・ピンパーネル(スカピン)」など海外作品と違い、宝塚のオリジナルものは当たり外れの落差が激しい。勝率の低い博打みたいなものだ。だから基本的に敬遠しているのだが、柴田作品は良質なものが多い。僕が好きな作品としては「あかねさす紫の花」「花の業平」「琥珀色の雨にぬれて」「哀しみのゴルドバ」「仮面のロマネスク」などが挙げられる。

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それにしても「アルジェの男」は面白かった。意表を突く展開。野心に満ちた主人公の生き様がいい。まるでスタンダールの「赤と黒」みたい……と想って観ていたら、途中で気がついた。きりやん(霧矢大夢)の役名がジュリアンで、これは「赤と黒」と同じじゃないか!サングラスをかけて登場する冒頭の格好よさにも痺れたね!

ヒロイン役の蒼乃夕妃は元々踊れる人だから、観ていて気持ちがいい。

悪役の龍 真咲はこういう黒い役どころがピッタリ。彼女特有の隠微な美しさがメラメラと妖しく燃える。また歌唱力向上にも目を瞠るものがあった。スカピンの頃に比べ高い声が出るようになったし、音が外れなくなった。

逆に明日海りおは白い役が似合う。正統派で美形の男役。序盤の軍服姿も良かった。 

また、盲目のアナ・ベル嬢を演じた花陽みらの歌声が美しかった!彼女の登場シーンにドビュッシーの「月の光」が流れるのも、儚げでいい。

演出に関してもスピーディな舞台転換でお見事。特に薄汚れたアルジェの裏町が、一瞬で華やかなパリに変身するシーンには瞠目させられた。

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「ダンス ロマネスク」の作・演出は中村 暁。こちらは可もなく不可もなし。ピンクのタキシードはいただけないな。

ただ、きりやんのどこまでも伸びる歌声、蒼乃夕妃の切れのあるダンスがとても気持ちよかった。

総評として「アルジェの男」が愉しかったので、見応えたっぷりの充実した公演だった。

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