金原亭馬生・桂雀々 二人会
7月31日(日)TORII HALLへ。
- 桂 優々/ん廻し(田楽喰い)
- 金原亭馬生/らくだ
- 桂 雀々/船弁慶
- 対談
- 桂 雀々/疝気(せんき)の虫
- 金原亭馬生/唐茄子屋政談
トリイホールは平成七年の出演以来、十六年ぶりという馬生さんは上品で軽やか。もの静かな語り口。
一方の雀々さんは冒頭から「お日ぃさんが、カ~ッ!!」と、枝雀師匠の在りし日の姿を再現し、マシンガン・トークで言葉を畳み掛ける。圧巻。馬生さんが「エネルギッシュな高座」と褒めると、「馬生兄さんがNHKとすると、私は民放」と。芸風が全く対照的なお二人。
対談では襲名の話。前名「馬治」から「馬生」の名を継いだ時の気持ちは、来年、文枝を襲名する三枝さんの言葉を引用し、「今でも『私でいいのか』という自責の念に駆られます」と。古今亭志ん馬師匠から指名されたそうで、「うちの一門は先代(馬生)の教えに従い、(自ら)しゃしゃり出たりしないんです」
雀々さんは一度、枝雀さんから「名前を返してくれるか?」と言われたことがあるそう。そして自分の「枝雀」と交換しようと。そこで雀々さんは「いらん」と言ってしまい、師匠を怒らせたとか(場内爆笑)。またある時、「名前を襲名するのはありきたりだから、屋号を変えたらどうか」と言われた。枝雀さんの提案は「雀々家雀々」(じゃくじゃくや じゃくじゃく)。上から読んでも下から読んでも同じだから。また、人から「こいつ、じゃくじゃくや、じゃくじゃく!」と言われたら面白いだろうと。
馬生さんからは「言葉の違いからなかなか東京で受け入れられなかった上方落語の面白さを初めて理解させたのは枝雀師匠。流れを変えた」と。また上方の大名跡・桂文治が東京に移ってしまった経緯も話題に。
江戸落語「唐茄子屋政談」を聴くといつも感じること。若旦那が貧しい母子にあげたお金を「因業な」大家が店賃として取り上げてしまい、最後はお上に厳しく裁かれるのだが、僕は4ヶ月家賃を払っていない母子が悪いのであって、大家の行為は正当だと想うのだが、間違ってる?これだから人情噺は……
| 固定リンク | 0
「古典芸能に遊ぶ」カテゴリの記事
- 柳家喬太郎 なにわ独演会 2021(2021.10.01)
- 柳家喬太郎独演会@兵庫芸文 2021(2021.07.30)
- 「らくだ」笑福亭鶴瓶落語会 2021 @兵庫芸文(2021.02.07)
- 柳家喬太郎 なにわ独演会 〈第三回〉(2020.10.07)
- 新型コロナウィルスと”浮草稼業“(2020.02.28)
コメント