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SUPER 8/スーパーエイト

評価:B+

Super8

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製作がスティーブン・スピルバーグ、脚本・監督がJ・J・エイブラムス。予告編を観た時から予測はしていたけれど、これは「未知との遭遇」(1977)や「E.T.」(1982)への些かの衒いもないラブ・レターである。

少年たちがBMX(競技用自転車)に乗って走り回る(「E.T.」)、軍隊が山火事を演出し住民を避難させる(「未知との遭遇」では毒ガス発生のデマを流し住民を避難させる)、無人の車のエンジンが突然かかり、ヘッドライトが点灯する(「未知との遭遇」)、最後に宇宙船で立ち去るエイリアンをみんなで見送る(「E.T.」「未知との遭遇」)といった具合だ。

また、スピルバーグは「未知との遭遇」と「E.T.」で”父親不在”の映画を撮った。それは彼が母子家庭で育ったことと無縁ではない。最近その特徴は薄れてきたが、それは彼自身が結婚し、子どもが生まれ、父親になったからである。「SUPER 8」は逆に”母親不在”の映画となっており、見事な対となっている。

「SUPER 8」では劇中ラジオからスリーマイル島原発事故の報道が流れてくるので時代背景は1979年。ソニーのウォークマン(WALKMAN)も登場する(発売は1979年7月1日)。J・J・エイブラムスは1966年生まれなので、この時13歳ということになる。彼はインタビューでこう語っている。

「この映画は、スーパー8フィルムで映画を作っていた子どもたちのことを語りたいという気持ちから生まれたもので、もともと自伝的な要素のあるアイデアだった。でも結果的には、僕が少年時代に夢中になっていた作品に対するオマージュになっていると思うよ(笑)」

そこには当然「スタンド・バイ・ミー」(1986)への想いもあるだろう(公開当時、エイブラムス20歳)。少年たちの友情、その中に肥満体の子もいるというのが、いかにも「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせる。あとジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」(1978)も。

8mm少年が主人公というのは、まるで大林宣彦監督の映画みたいだなぁ(「転校生」など)。大林監督の「いつか見た映画、いつか見た夢」という言葉を想い出した。

「SUPER 8」は現役の少年たちと、かつて少年だった大人たちの為の寓話である。敢えて暴言を吐くと、「女にはこの映画の良さが分かんねぇだろうなぁ。ざまあみろ」、分かりやすく言い換えるならば「未知との遭遇」「E.T.」に時めかなかった人には無縁の映画であろう。

そうそう、それから「ベンジャミン・バトン」「サムウェア」等、エル・ファニング(ダコタの妹)といえば今やハリウッド映画における「美少女」の代名詞・アイコンであるが、「SUPER 8」のエルも彼女の美少女ぶりが炸裂。特にゾンビ・メイクの彼女には参ったね。

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