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2011年7月22日 (金)

蘭寿とむ 主演/宝塚花組 ミュージカル「ファントム」

宝塚大劇場へ。

Fa1

宝塚花組によるミュージカル「ファントム」を観劇。

Fa2

僕は今までこのミュージカルを4回観ている。

2004年宙組(和央ようか、花總まり、樹里咲穂、安蘭けい)の宝塚大劇場公演および東京公演、2006年花組(春野寿美礼、桜乃彩音、彩吹真央、真飛聖)、そして2008年大沢たかお主演版である。

「ナイン」「タイタニック」で知られる作曲家モーリー・イェストンの手によるこの作品が、本国アメリカでどういう不幸な運命を辿ったかは上の記事に書いたので、ここでは繰り返さない。

今回は蘭寿とむのトップお披露目であり、新曲2曲が加わった(宝塚初演でも”僕の悲劇を聴いてくれ”《Hear My Tragic Tale》 というオリジナル曲が書かれている)。蘭寿さんは歌とダンスに定評のある人なので、今回も文句なし(彼女は宝塚音楽学校時代、入学から卒業まで一度も主席の座を渡さなかったことで知られている)。特に伸びる高音に聴き惚れた。

ヒロイン・クリスティーヌ役の蘭乃はなさんは歌がちょっと……。でも美人だから許しちゃう(美は、他の価値感全てを超越する)。それにしてもこの役は、どうしても宙組・花ちゃんの可憐な姿を想い出してしまうんだなぁ。

特筆すべきはキャリエール(前支配人)を演じた壮一帆さん。低音の魅力が絶大。初演の樹里さんは特に銀橋でエリック(ファントム)との2重唱がショー・ストップの名歌唱で、感動の涙を流したものだが(だから東京まで追いかけて行った)、あれに引けをとらない素晴らしさだった!

カルロッタ役の桜 一花さんもコミカルで愉しませてくれた。フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵役の愛音羽麗さんは今一つパッとしない。

中村一徳の演出は、初演時よりだいぶ改善された。

例えば初演の幕切れでは、白いゴンドラをファントムが漕ぎ、その足下に座ったクリスティーヌが幸せそうに笑っているというものだった。「ファントムは死に、クリスティーヌは生きているのに、なんじゃこりゃ~!」とズッコケたものだったが、現在ではこの矛盾は解消されている。

また、幼子を抱く母親の巨大イラスト(漫画)がドド~ンと登場した時には「こ、これはベルばらか!?」と悶絶し、頭を抱えたものだったが、それも今回なくなった。元々台本と音楽は優れているし、今では「エリザベート」と並ぶ宝塚の代表的演目になったと胸を張って言えるのではなかろうか?

そうそう、それから”踊る指揮者”マエストロ・塩田明弘がタクトを振られていたので驚いた。はやり一流の人が指揮台に立てば、オケの音も引き締まり、生き生きと鳴る。見違える様だった。

必見。

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