マーラー「夏の交響曲」〜大野和士/京都市交響楽団 定期
7月24日(日)、京都へ。
「馳走いなせや」で昼食。丹波地鶏や縁高に盛り込んだ季節の品々に舌鼓を打つ。
時間が余ったのでイノダコーヒー本店へ。
いい感じ。
そして最終目的地、京都コンサートホールに到着。
フランス国立リヨン歌劇場主席指揮者として活躍する大野和士さんの指揮、京都市交響楽団および、京都市民合唱団(女声)、京都市少年合唱団で、
- マーラー/交響曲 第3番
チケットは発売数日で早々に完売。期待の高さが窺われる。
アルト独唱は当初、小山由美さん(ドイツ・シュトゥットガルト在住)が予定されていたが、体調不良のため手嶋眞佐子さんに変更になった。
マーラーは当初、各楽章に副題を付けていた(後に削除)。
第一部 序奏「牧神(パン)が目覚める」(8本のホルンが奏でる第1主題) 第1楽章「夏が行進してくる(バッカスの行進)」
第二部 第2楽章「野原の花々が私に語ること」 第3楽章「森の動物たちが私に語ること」 第4楽章「夜が私に語ること」 第5楽章「天使たちが私に語ること」 第6楽章「愛が私に語ること」
マーラーは夏期休暇をアッター湖畔のシュタインバッハで過ごし、この交響曲もそこに建てられた小さな作曲小屋で生み出された。
どんどん高みに上って行くかのような終楽章について、大野さんはプレトークで、ゲーテの「ファウスト」 第二部 最後に登場する「永遠に女性的なるものがわれらを高みへと引き上げ、昇らせてゆく」という詩に恐らく呼応しているだろうと仰っていた。
第1楽章からリズムに切れがあり、弾ける。音楽は躍動し、終盤の加速が凄かった。
第2楽章は軽やかでスマート。透明感があった。
第3楽章は研ぎ澄まされた音で、澄み切った高原の空気が感じられた。音楽は洗練され、爽やかな風が通り過ぎる。
アルト独唱が登場する第4楽章はまどろみ、夢見る。
そして天使(児童合唱)が歌う第5楽章を経て、第6楽章では自分のヨゴレが浄化されるよう。最後は清清しい光が差し込んでくる風景が目の前に広がっていった。「嗚呼、人間マーラーを抱きしめたい!」そんな愛おしさを感じた。
「世紀末」「病的」「爛熟」「退廃」という文脈で語られることが多いマーラーの音楽だが、大野さんの解釈はそれとは無縁で、むしろ健康的な夏の開放感、魂の清らかさがあった。こういうマーラーも新鮮で素敵だなと想った、真夏の昼下がりであった。
それにしても京響の金管はよく鳴って気持ちがいいね!安心して聴ける。日ごろ大フィルの頼りない金管(特にトランペット)にハラハラさせられっぱなしなだけに、羨ましかった。
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コメント
この公演、とても聴きたかったのです!!
(ぼやぼやしてるうちにチケット完売)
また大植さんとは違った瑞々しさだったみたいですね。
私もあの天使の歌声が好きです、この交響曲にはたくさんの聴きどころがありますが、その一つですよね。
芸文で殆どが中学生で、上手すぎました、今回はどんな年齢のお子さんたちでしたか?
投稿: jupiter | 2011年7月25日 (月) 12時36分
jupiterさん、コメントありがとうございます。
京都市少年合唱団の構成は小学校4年生から中学校3年生までの男女となっています。全団員220名のうち、小学生が90名、中学生が130名という割合です。そんなに大人びていず、いい感じでした。
投稿: 雅哉 | 2011年7月26日 (火) 08時55分